あの海のひみつ の商品レビュー
友人の昭和な読書リストからの、児童書です。作者の柗原(まつばら)さんのひみつシリーズの三冊目です。 あらすじは、わたしと同じくらいの年齢の女性にたいして言いにくいのですが、おさななじみのおばあちゃん三人とそれぞれの孫の小学生男子三人とで、特急しらさぎに乗って、福井県小浜の日本...
友人の昭和な読書リストからの、児童書です。作者の柗原(まつばら)さんのひみつシリーズの三冊目です。 あらすじは、わたしと同じくらいの年齢の女性にたいして言いにくいのですが、おさななじみのおばあちゃん三人とそれぞれの孫の小学生男子三人とで、特急しらさぎに乗って、福井県小浜の日本海へ一泊旅行をする、というものです。 なぜ日本海へ?それは、三人のおばあちゃんたちは満州で生まれ育ち、終戦後日本へ脱出。その途中の船で起きたある出来事に区切りをつけるため、それを孫たちに伝え、見せるための旅行なのでした。 児童書なので壮絶だった脱出行もサラッと書かれています。例えば、さち子おばあちゃんのお父さんは、捕虜としてシベリアに送られるところを脱走して帰ってきた、と短く説明されています。あとは自分で調べて、ということか。 三人のおばあちゃんたちは、自分で見てきたことを孫に伝え、自分の姿を見せました。自分の体験ではない孫三人はこれからどうするんだろう。 大人になって、老人になり、死ぬまでに誰になにを伝えるのか?このお孫さんたちはわたしと同じですね。 日々余裕なく過ぎた時も終わり、年をとったらなにかを語るにはちょうどいいのかも。たぶん三人のおばあちゃんたちもそうだったと思います。 語れるような戦争体験はなくても、知って感じて考えればそれは体験だと思いました。それを伝えればよいのかな。 この本には、他にも教訓的な話が盛り込まれています。これは作者の柗原さんのお考えのようですね。
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