霊長類学を学ぶ人のために の商品レビュー
霊長類学、いわゆる「サル学」の入門書です。 本書の巻頭に置かれている「霊長類学の歴史と展望」では、霊長類学の歴史についての解説がなされており、とくに京都大学の今西錦司によって日本で広く取り入れられることになった個体識別や長期研究などの方法が定着し、世界をリードする研究成果を生み...
霊長類学、いわゆる「サル学」の入門書です。 本書の巻頭に置かれている「霊長類学の歴史と展望」では、霊長類学の歴史についての解説がなされており、とくに京都大学の今西錦司によって日本で広く取り入れられることになった個体識別や長期研究などの方法が定着し、世界をリードする研究成果を生み出してきました。その一方で、行動生態学(社会生物学)の導入を遅らせる一因にもなったという指摘がなされています。 本書では、行動生態学的なアプローチを含む比較的新しい成果を、広く一般の読者にも読めるようにわかりやすく解説しています。これまで、河合雅雄や伊谷純一郎のフィールドワークを振り返った本は読んだことがありましたが、本書ではさまざまなサルの生態を解明するための枠組みについて知ることができて、興味深く感じました。
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