生誕 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
202002 生まれる前からの記憶を持つ丞は、母の胎内で一緒にいたはずの存在を探す。 ストーリや言わんとすることはなんど表現しづらいのだが、吸引力がすごい。丞にとっては、きょうだいを探すことが、アイデンティティーの確立のために必要だったということか。生まれる前の稔に一生懸命情報を伝えようとしていたという部分に、丞なりの愛を感じた。
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自分の一番小さい頃の記憶は人それぞれ古さが違うだろうが、この主人公は胎内の記憶を持っているという。自分の原初の記憶を頼りに、もう一人の自分(胎内での記憶によれば、主人公は双子だった)を探す旅に出る主人公の話。
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題名に惹かれた。物語の後半になるまで題名の意味がなかなかわからない。主人公とそれを取り巻く環境のズレが面白さを生み出している。 ああ、この世に生まれてしまったからには。誰が頼んだのか。命は自分のものだなんて平気で言うけれど、誰のものでもない。ましてや、自分でどうこうすることもでき...
題名に惹かれた。物語の後半になるまで題名の意味がなかなかわからない。主人公とそれを取り巻く環境のズレが面白さを生み出している。 ああ、この世に生まれてしまったからには。誰が頼んだのか。命は自分のものだなんて平気で言うけれど、誰のものでもない。ましてや、自分でどうこうすることもできない。 どうして、どうして、自分は自分なのだろう。探していてもみつからない。今ここにしかない。気付いたら、この世に生まれてしまった。運命なようで自由。そんな存在を否定したところで何も始まらない。生きるとはかくも難しい。
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なんというか、不思議なお話でした。淡々とした、温度の低い感じの描写で、読了後は、(まさにタイトルのように)新しく生まれなおした様な、静かな、満たされた気持ちにさせてくれる物語。
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