戦後責任論 の商品レビュー
前に読んだ辺見庸との対談が意外と面白かったので、早速高橋哲哉の本を買って来ました。 戦争責任というと、戦後生まれの私たちには関係のない事のように思われがち。確かに戦争責任の核心は戦争犯罪の実行者の責任にあるわけだから、当事者でない戦後生まれの人間には直接的責任があるはずがない...
前に読んだ辺見庸との対談が意外と面白かったので、早速高橋哲哉の本を買って来ました。 戦争責任というと、戦後生まれの私たちには関係のない事のように思われがち。確かに戦争責任の核心は戦争犯罪の実行者の責任にあるわけだから、当事者でない戦後生まれの人間には直接的責任があるはずがない。ここで著者があえて「戦後責任」と言っているのは、その辺のことも意識してのこと。日本という国家が戦後、戦争責任をあいまいにしてきたり隠して来たりしてきた事については、戦後世代と言えど何らかの「責任」があるのではないか、という事のようです。ここで著者は「責任」というものを「応答可能性(responsibility:責任)」という観点から捉えようとしてて、「他者」との関係の中で戦後責任を考えようとする姿勢には共感。 後半のネオ・ナショナリズム批判に関しては、加藤典洋氏の「敗戦後論」を読んでないのでいまいちピンと来なかった。「自由主義史観」に対する批判は、ドイツの歴史論争との比較がちょっと目新しいくらい。 語られていることは納得がいくんだけど、読み物としてはちょっと「面白み」にかけるかな。まぁ、内容が内容だけに、仕方ないか(^_^;)
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