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悪魔を呼び起こせ の商品レビュー

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2019/07/31

密室研究者であるデレック・スミスが手がけた長編推理小説。一族に代々受け継がれてきた家督相続の儀式を復活させようとしたロジャー・クウィンリン氏が、密室の部屋で何者かに殺害されてしまう。警護を依頼されていた私立探偵アンジーは地元警察と協力して事件の謎に挑むが、再び密室で死人が出て……...

密室研究者であるデレック・スミスが手がけた長編推理小説。一族に代々受け継がれてきた家督相続の儀式を復活させようとしたロジャー・クウィンリン氏が、密室の部屋で何者かに殺害されてしまう。警護を依頼されていた私立探偵アンジーは地元警察と協力して事件の謎に挑むが、再び密室で死人が出て……という内容。黄金期を過ぎて発表された作品だが、カー風の怪奇趣味と緻密に構成された二つの不可能犯罪を堪能できる。定番の密室講義はもちろん『月長石』や『ビッグ・ボウの殺人』『帽子から飛び出した死』といった古典からの引用も多く、ミステリマニアであれば細部に至るまで楽しむことができるだろう。事件の真相やトリックに目新しさこそないものの、見事な理詰めで謎を解明していくプロセスは素晴らしく、記述のダブルミーニングによる伏線など丁寧に構成されている印象。惜しむらくはパズルに特化しすぎるあまり、読み物としてやや薄味な点だろうか。密室ファンによる密室ファンのための佳作である。

Posted byブクログ

2009/10/04

どこまでもマニア趣味の作品って印象を受けた。素人探偵がスコットランドヤードの主席警部と友人だったり作品中に先行するミステリへの言及とかそれを元にした論考があったり。こういう雰囲気が個人的にあまり得意じゃなくて一歩引いた感じで読んだ。でも二つの密室殺人事件はとても面白い。第一の事件...

どこまでもマニア趣味の作品って印象を受けた。素人探偵がスコットランドヤードの主席警部と友人だったり作品中に先行するミステリへの言及とかそれを元にした論考があったり。こういう雰囲気が個人的にあまり得意じゃなくて一歩引いた感じで読んだ。でも二つの密室殺人事件はとても面白い。第一の事件から「衆人環視」「泥濘に足跡がない」「鍵は閉まっていた」と普通ならどれか一つだろうというツッコミを入れそうになる。第二の事件も牢獄の中での衆人環視の密室というまたまたすごいもの。最後の真相は複雑で魅力に欠けた。でもまあこれだけのものを解決に導ける手腕はすごいと思う。

Posted byブクログ