美しい老年のために の商品レビュー

中野孝次(著者)

2018/10/25

P17
自分のやってきたことに
空虚を感じだしたとき
人はもうこれ以上
つづけられない

P17
自分で自分の人生に
見切りをつける

2022/08/13

歳をとらないと面白さがわからない、そういう古典はあるもので、私にとって徒然草はさしずめその一つだった。若い頃は近づく気もならなかったのに、今ではこれが面白くてならない。好きが高じて、ついにその筆写を行った位である。
老年は最も死に近い年齢である。そのことをたえず意識していれば、生きていられる今を楽しまずにおれようかという気持ちは、私にはいつもある。死を前にして、いつまでも世間の義理や仕切りに縛られている事は無いのである
今大きく揺れ、価値観がぐらぐらと覆っている日本の社会の有り様が、なおさら我々にある決意をうながす。絶対的な権威と信じられたものが、実はくだらぬ、無力な偶像にすぎなかったことをわれわれはいくつも見た。