王者の蹄跡 の商品レビュー

平松さとし(著者)

2024/06/27

平松さんらしく、非常に綿密かつしっかりと当事者の取材をおこなっており、タイキシャトルを支えていた人たちの様子がしっかり分かる。特に、蹄鉄の問題などは名馬あるあるとはいえ、関係者の苦心がうかがえてあらためて全レースあっさり勝っていたように見えるタイキシャトルの勝利も簡単なものでは無かったことが分かる。引退レースについても、まあ平松さんなので批判的にどうのこうのは無理だとはいえ、やはり藤澤調教師以下いろいろと苦労した結果の出走と結果だったと分かる。
また、序盤ではタイキ赤澤オーナーと岡部騎手の関係など、太樹ファームの歴史についても取材されている。30年のときが経過して太樹ファームの様子もかなり変わってしまったが、当時の様子が分かるのは非常にありがたい。
なんだかんだ、こういうしっかりした取材に基づく本は貴重。