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シャーマンの弟子になった民族植物学者の話(下) の商品レビュー

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2020/03/19

エクアドルの奥地のティリオの村から始まった、 博士の野草の収集の旅は、友人となった部族民の 「こんな部族がここにいる、そこでこんな暮らしをしている」 と言う情報で、ブラジルの奥地まで広がりを見せる。 同じ種類の植物も部族の違いで呼び名も違い、 治療方法や病気、怪我の種類...

エクアドルの奥地のティリオの村から始まった、 博士の野草の収集の旅は、友人となった部族民の 「こんな部族がここにいる、そこでこんな暮らしをしている」 と言う情報で、ブラジルの奥地まで広がりを見せる。 同じ種類の植物も部族の違いで呼び名も違い、 治療方法や病気、怪我の種類も違っていたりするのだ。 無論同じ用法もある。 それは、その植物の中にある成分の多さをも語っており、 博士は持ち前の粘り強さと謙虚さで 次々にシャーマンに教えを乞うことができた。 博士が一番危惧しているのは、 こうした知恵と叡智が語り継がれずに失われることであった。 ブラジルのキリスト教の伝道団が入った地区へ行った時のこと。 そこではヨーロッパ人が入ったために、 土地の治療が効かない致死的な病気が流行り、 昔からの治療方法が時代遅れと見向きもされなくなって 失われつつあった。 アマゾンの多数の植物による治療は アマゾンの奥地へと逃げた人間達の過酷な生活の中で 発見され洗練された知恵。 (インディオ、クレオール、マルーンいずれも奴隷にされていた。キリスト教的排他な考えにより) 毒消も、この生物の毒はこの植物をこのように使うと 言う実に細かくピンポイントでしかも確実に結果が出る。 同じ植物も使用方法で、毒にも薬にもなる。 博士は15年も行き来をして、200ページあまりの知恵を書き留めたバインダーを長老に約束どおり渡すことができた。 そしてこの知恵を持つインディアン達がその恩恵を 受けることができるように、 知恵と植物が消えてなくならないようにと言う活動も 可能になっている。 我々がよく知っている植物に、こんな活かし方、薬効があったと、驚きながら読んだ。(本の最後に解説される植物名解説も圧巻) 実に読書している時間が楽しい上下巻だった。

Posted byブクログ