老いのエチュード の商品レビュー
森村誠一のエッセイを始めて読む。これは森村誠一62歳の時のもの。 若い頃は、森村誠一が 好きで、よく読んだ。 しかし、ほとんど感想文を書いてない。 あっという間に 読めて まったく印象に残らなかったかもしれない。 このエッセイを読みながら、森村誠一が 子供の頃から よく本を読み...
森村誠一のエッセイを始めて読む。これは森村誠一62歳の時のもの。 若い頃は、森村誠一が 好きで、よく読んだ。 しかし、ほとんど感想文を書いてない。 あっという間に 読めて まったく印象に残らなかったかもしれない。 このエッセイを読みながら、森村誠一が 子供の頃から よく本を読み、そして、戦争体験があり、 ホテルマンになって、自分らしさを発揮するために作家になった 経緯が よくわかった。 また 角川春樹に対する友人のような関係も理解できた。 たしかに 『人間の証明』などで、 小説と映画と言う新しい手法を編み出した中で、森村誠一が重要な位置があった。 森村誠一は、ポールモーリアのような文章を書きたいと言うことが、 とても印象的だった。なるほど、実に読みやすく、印象に残らないが、 また 続けて読みたくなる というのは 確かに ポールモーリアだろうね。 老人の五つのパターン ①円熟型;あるがままに受け入れて、積極的自立をめざす。 ②悠々自適型;安楽に過ごす。 ③実盛型;老化した事実をみとめず、行動は若ぶる。 ④憤慨型;不満を持ち、他人の責任にする。 ⑤自己嫌悪型;敗北者として、自責して孤立化。 日本人は ②が多く、それで③がつづく。理想は①と森村誠一は言う。 老年ではなく 『盛年』という言葉が気に入った。 私は、どうも ③の実盛型である。 悪魔の飽食 にいたる過程が 深く戦争体験に基づいていること。 この ノンフィクションは 私は読もうとして、読み切れなかった。 日本人の残酷さに 目を覆いたくなったからだ。 こうやって、森村誠一のエッセイを読んで、 実に誠実で、正直で、歴史にきちんと目を背けることなく 立ち向かっていく。また、正々堂々と 政治的な発言もしていることに 驚きと その姿勢に 共感せざるを得ない。 えらいやつだ。と改めて 思った。
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