ロシア現代史と中央アジア の商品レビュー

木村英亮(著者)

2010/11/13

ロシア現代史と中央アジアという題だが、旧ソ連の範囲に留まらず当時の世界情勢の流れの中での動きという位置づけがありこの地域の歴史がより明確に捕らえられている。
共産党とジャディードとの関係、ロシア人の入植状況などが詳しい。中央アジア征服もロシア人ｖｓ現地人という簡単な一枚岩でなかったこともよく分かる。現在では中央アジアは”旧ソ連”というカラーが強く、ウズベク人・タジク人などはアフガニスタンに多数存在しているにも関わらず、その関係は薄いが、が19世紀後半はアフガニスタンなどとの繋がりがより濃かったことが明確に伺え、今後この歴史がどう作用するのかも気になる。
通常の通史とはひと味違ってとても面白かった。