父・丹羽文雄 介護の日々 の商品レビュー

本田桂子(著者)

2021/01/12

さすがファザコン娘。『ぼけますからよろしくお願いします』のマザコン娘もそうだけど、親を「大好き」という感覚は私はわからない。なので親がボケてもなんのショックもないが、作者には晴天の霹靂だったらしい。有名人だけあってお弟子さん、お手伝いさんなど周りに助けてくれる人がいたこともあり、本人が覚悟を決めたあとは普通の人よりは介護しやすかったのではないかと思う。ただ、お母さんもボケて、しかも意地悪、わがままになったというところが気の毒。（ボケると本性が現れるというのはほんとにこわい。今から醜い本性を直しておかなければという注意喚起に納得。）本人も明るい性格だから明るく介護とはいってもアルコール依存になってしまったというのは、やはり相当な苦労だったのだろう。その治療のための入院につきあってくれるほど理解のある夫でよかった。たがいに気遣いあう絵にかいたような家庭はあるのだなぁ。