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宝塚 の商品レビュー

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2018/06/01

久生十蘭など近代日本文学の研究者である著者が、宝塚歌劇の歴史をたどりつつ、モダニズムやジェンダーなどのテーマをすくいあげ考察している本です。 著者は、劇の具体的な内容に立ち入って批評をおこなっているわけではなく、宝塚歌劇という舞台装置そのものの性格を主として歴史的・社会的な観点...

久生十蘭など近代日本文学の研究者である著者が、宝塚歌劇の歴史をたどりつつ、モダニズムやジェンダーなどのテーマをすくいあげ考察している本です。 著者は、劇の具体的な内容に立ち入って批評をおこなっているわけではなく、宝塚歌劇という舞台装置そのものの性格を主として歴史的・社会的な観点から論じており、いわゆる阪神間モダニズムの枠組みのなかで宝塚歌劇の成立と発展を読み解く試みだといってよいと思います。宝塚歌劇とそのファンとの関係についても多少問題提起がおこなわれてはいるものの、それほどくわしい議論が展開されているわけではありません。そうした意味で、宝塚歌劇の歴史に関心をいだく読者にとってはおもしろい本なのかもしれませんが、宝塚歌劇のファンにはすこしもの足りないと感じられるのではないかという気もします。

Posted byブクログ