恋愛太平記(2) の商品レビュー
読んでも何にもならないけど好き。 姉妹間の距離の取り方が面白いなあと。 まぎれもなく金井美恵子なんだけど、読み終わると金井美恵子らしさが曖昧になる。 不思議、だけど好き。
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『恋愛太平記』の第2巻。 ある姉妹とその家族の10年間の生活を描いた作品。 息の長い文章で、ある種、執拗に描写される衣類や食べ物、そして登場人物の心理……そういったものに圧倒された。
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母親と4人の娘。彼女たちが織りなす10年間の生活の諸相を描く。あれを食べただのこんな服だっただの細部へと注がれた言葉は溢れ「話」はいつしか別の「話」へと流れだしていく(そういえばあの時も・・・)。こうした「細部に淫することで生じてしまう小説の物語的機能の失調状態の楽しさ」(作者あ...
母親と4人の娘。彼女たちが織りなす10年間の生活の諸相を描く。あれを食べただのこんな服だっただの細部へと注がれた言葉は溢れ「話」はいつしか別の「話」へと流れだしていく(そういえばあの時も・・・)。こうした「細部に淫することで生じてしまう小説の物語的機能の失調状態の楽しさ」(作者あとがき)を堪能し、その失調状態をふわりと受け止め、ゆるりと歩を進める「肉球的エクリチュール」(堀江敏幸)の愉悦に浸ることもできれば、「バカ」でも読めるか、と自問させる(高橋源一郎)パンチの効いた批評的言辞も時折差し込んでくる。枯れ行く一方の生活のなかで、今後折にふれページを繰るよう誘発してくる気がする。
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