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2019/08/30

図書館で検索していて見つけた本です。1999年初版。原初は1993年。 返却期限がせまってきたので、「第三章 別の文化を祝福するろう者」だけ読みました。ギャロデッド大学の1988年の「デフ・プレジデント・ナウ」運動から、手話が弾圧された歴史(グレアム・ベルなど)、ろう教育などに...

図書館で検索していて見つけた本です。1999年初版。原初は1993年。 返却期限がせまってきたので、「第三章 別の文化を祝福するろう者」だけ読みました。ギャロデッド大学の1988年の「デフ・プレジデント・ナウ」運動から、手話が弾圧された歴史(グレアム・ベルなど)、ろう教育などについてがまとめられています。 オリバー・サックスの『手話の世界へ』を読んで、「デフ・プレジデント・ナウ」運動をわかりやすくエクセルで年表にしてみよう、と思い立ったので、さらに参考のためにと手に取りました。 大きな流れはもちろん同じなのですが、2冊の本の間には日にちのズレや、人名の揺れがあり「え、これは同一人物?」と迷うこともありました。「ギャロデッド」と「ギャローデッド」はネット上でも混在していますが、「ウィリアム・ストーキー(William Stokoe)」が「ストローク」になっちゃうのは何故? 「ヒルボック(Hilbok)」が「ヒルブック」なのは、もしかして原書がHilbookになってたのかなーと推測してみたり。 細かいことはさておき、全体のトーンは『手話の世界へ』と同じ方向性だと思います。例えばシムコム(手話と口話の併用)について、『手話の世界へ』では「ASLと口話を同時におこなうことは、両者が異なる言語である以上ほとんど不可能であり英語で話すことと中国語で書くことを同時におこなうよりもむずかしいことなのだ」「それは神経学的に見ても不可能なことかもしれない。」と書かれています。本書にも「ひとりの人間がある言語でしゃべり、同時に全く別の言語でで文章を書くことと同じだった。言語学的にみてもほとんご不可能に近い至難の業といえた。」とあります。 「デフ・プレジデント・ナウ」運動について、手話の歴史について、ざっくり知りたい場合には、この本の第三章は短くてさっと読めるのでおすすめです。でも、じっくり知りたい場合は『手話の世界へ』の方を。オリバー・サックスは運動の現場へ足を運んでいるので、人物描写も活きています。

Posted byブクログ