楽器のように の商品レビュー
深い望見力で存在するものの内的気圏に迫っていく詩的感覚
・太古や平安の少年の眼で何を見ようとしているのか、時間を、時代をさかのぼっていくことで、出会えたできごと、見えてきたものは何なのだろう。今の子どもたちと異なる少年へのあこがれが、この詩集の隠されたテーマなのだ。 ・現代のなかで埋もれていく大切なものを、確かな眼差しで凝視し、その...
・太古や平安の少年の眼で何を見ようとしているのか、時間を、時代をさかのぼっていくことで、出会えたできごと、見えてきたものは何なのだろう。今の子どもたちと異なる少年へのあこがれが、この詩集の隠されたテーマなのだ。 ・現代のなかで埋もれていく大切なものを、確かな眼差しで凝視し、その優しさの深さに感服した。 ・深い望見力で存在するものの内的気圏に迫っていく詩的感覚に印象深いものがある。 ・瑞々しく柔らかい感受性から世界に触れていく姿勢に注目する。「緑をとおりぬけて みえなくなってしまおう」という世界への透明通過と「ひとつの場所に同時に流れている 幾層にも重なった時間」への自己の魂の貫流に、詩の成熟を充分に予想させる。 (多くの方に感想を教えて頂いたので、紹介します。)
kkmk
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・みずみずしい感受性の満ち溢れた果物を啜るような味わいがあった。まさにこの詩集の題名のように、息を吹きかけるだけで静かに成りだす楽器のような作品の数々だった。・ていねいにすくい上げられた言葉の一つひとつによって、透明感、生命感のある詩情が醸し出されている。また、生命に対するいとおしさ、敬虔な祈りを感じる。・自然の中に魂を浸すとき、発光する言葉の美しさ、そしてそれを深く掬って書かれている抒情の世界に、現今得がたいものであることを感じた。・自然や万物の中に自己を遍在させ、生命あるものと共に呼吸し、息づくことのすこやかさを蘇生指せようという想像と表現がていねいに展開されていることに注目した。(
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