クロイツェルソナタの夢 の商品レビュー

水壬楓子(著者)

2009/10/04

IRAの協力者と、それを撲滅する側のイングランド諜報機関
の非常にシリアスで胸が痛む恋物語。

それぞれに祖国を想い、仲間を想う心情が胸に突き刺さって
くるようです。アイルランド問題も一朝一夕では語れない
悲劇の歴史がありますからね…
誰にも当てはまる正義などなく、すべての人間への正解
などなく、ただ、そこには人がいて、どちらにも主張が
あり、主義があり、争いがあるという状態。
悲劇が悲劇を呼ぶ悪循環が読んでいて辛いです。
最後はもう大泣きしてしまう終わり方ですが、それでも
魂に食い込んでくるお話です。
これ読んで、泣きすぎて頭痛がして目が腫れました（苦笑）

悲劇がダメな方にはお勧めできませんが、読む価値のある
作品だと思います。
水壬 楓子さんのデビュー作です。