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語り手の事情 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2012/08/08

単行本を友人から借りて読んだ。 確か後から出た文庫版が家にあった(家族の蔵書)はずだが 既に見つからない(謎) 舞台はヴィクトリア朝イギリス。 性的な妄想を抱いた男性が招かれる館で繰り広げられる、 夢想の実践。 この館の女執事風の人物が「私は語り手です」と 地の文で表明し、 エロ...

単行本を友人から借りて読んだ。 確か後から出た文庫版が家にあった(家族の蔵書)はずだが 既に見つからない(謎) 舞台はヴィクトリア朝イギリス。 性的な妄想を抱いた男性が招かれる館で繰り広げられる、 夢想の実践。 この館の女執事風の人物が「私は語り手です」と 地の文で表明し、 エロティックな欲望が現実化される様子を活写する。 だが、舞台が 「いかがわしいものは存在しないという前提で隠蔽する」 ヴィクトリア朝に設定されているためか、 語られるのはセックスに纏わる話でありながら、 特段、卑猥でも、えげつなくもなく、 語り手の口調もあくまで上品。 しかし、 この「いかがわしいものは存在しないという前提で隠蔽する」 というお約束が孕む欺瞞を、徐々に暴いていく趣向になっている。 また、情景を描写する、言うなればカメラの担ぎ手自身が 物語に介入していくことによって、 「叙述とは?」「一人称、三人称小説とは?」といった、 小説の「語り」に纏わる問題を提起するので、 メタ小説として読むこともでき、感心させられた。

Posted byブクログ

2011/05/04

泣き虫弱虫諸葛公明が面白かったので、酒見賢一面白いと続けて読んだこの本。 なんというか・・・すごいです。 久しぶりに、肺腑をえぐるぐらいにいやらしいものを読んだ。 私も男性ですし、そういう分野のことが嫌いなわけじゃない・・・いや好きです。 だけど、いいかげん飽きていた。 手に入...

泣き虫弱虫諸葛公明が面白かったので、酒見賢一面白いと続けて読んだこの本。 なんというか・・・すごいです。 久しぶりに、肺腑をえぐるぐらいにいやらしいものを読んだ。 私も男性ですし、そういう分野のことが嫌いなわけじゃない・・・いや好きです。 だけど、いいかげん飽きていた。 手に入るものには飽きたし、手に入らないものはもうこの先も手に入らないだろうし。少年の日のような感動はもうなくなったんだろうと思ってた。 いやいや、そんなことないです。やっぱり文章だな。

Posted byブクログ

2009/10/19

内容はエロい本です、そうとしか言い様が無い。文章も単語も、内容も人物名もその手のものばかり。が、しかし著者が酒見賢一というのが一番のミソ。 エロくないんだな、これが。 後宮小説でもそうだったけれど、エロい話がまったくエロくなくなる所か、下手すると笑い話になっちゃう所がこの人の特徴...

内容はエロい本です、そうとしか言い様が無い。文章も単語も、内容も人物名もその手のものばかり。が、しかし著者が酒見賢一というのが一番のミソ。 エロくないんだな、これが。 後宮小説でもそうだったけれど、エロい話がまったくエロくなくなる所か、下手すると笑い話になっちゃう所がこの人の特徴と言ってしまうとそうだったり。 ひどく真面目そうな文章だが内容を把握してみるとギャグでしかない。本分最終章後半部分は、思わず「親父ギャグじゃないか!」とつっこみを入れてしまいました。 付けたしのようでなんですが、語り手という設定は、面白かったです。

Posted byブクログ

2012/02/21

県立中央図書館にあった経歴を持つ〜ヴィクトリア時代のロンドンの屋敷には主人が妄想の塊のような人物を招き,私は語り手として,居ないかの存在に徹するのだが,18歳の少年アーサーは私をメイドだと思いこみ,肉体関係を結ぶ。女装趣味の紳士は妄想の中で自分の肉体を女のものに変化させて定着させ...

県立中央図書館にあった経歴を持つ〜ヴィクトリア時代のロンドンの屋敷には主人が妄想の塊のような人物を招き,私は語り手として,居ないかの存在に徹するのだが,18歳の少年アーサーは私をメイドだと思いこみ,肉体関係を結ぶ。女装趣味の紳士は妄想の中で自分の肉体を女のものに変化させて定着させた。SMが何なのかは,少女の肉体を持つチッタが寄りつくルーが教えてくれ,チッタの躰を性徴させた。アーサーが15年振りに屋敷に訪れ,私に求婚するが,妄想の中で精を出し尽くして死んでいこうとする彼を救うために,語り手の立場を捨てる〜「わたし」は冷静に人の性的快楽を語ろうとするのだが,自分が関わると別の語り手が必要となる。ついには自分が主人公とならざるを得なくなるってことなのか・・・少年には力がないと云わせる。私は良い語り手だったのだが,別の語り手を必要とするようになり,自由な世界を小説の中で紡ぎ出す。小説家のジレンマだろうか・エロスの世界。どうして県立中央図書館から茂原に来たのだろう?

Posted byブクログ

2009/10/04

えーちょっとこの著者の妄想についていけない。。。優雅な語り口調で著者の博学さは十分に分かったけど。難しいし。

Posted byブクログ