血と骨 の商品レビュー
著者、梁石日さんは、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 梁 石日(ヤン・ソギル、ヤン・ソクイル、양석일、1936年8月13日 - 2024年6月29日)は、日本の小説家。在日朝鮮人。本名は梁正雄(ヤン・ジョンウン)、通名:梁川正雄。 ---引用終了 ...
著者、梁石日さんは、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 梁 石日(ヤン・ソギル、ヤン・ソクイル、양석일、1936年8月13日 - 2024年6月29日)は、日本の小説家。在日朝鮮人。本名は梁正雄(ヤン・ジョンウン)、通名:梁川正雄。 ---引用終了 で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。 ---引用開始 1930年頃、大阪の朝鮮人密集地域の蒲鉾工場・東邦産業で働く金俊平は、その巨漢と凶暴な性格で極道からも恐れられていた。ある日、飛田遊廓の女郎・八重の虜になって錯乱した同僚が、自分の腹を切り裂いて死ぬという騒動が起こる。興味を抱いた金俊平は八重の淫蕩な女体に溺れて水揚げするが、逃げられてしまう。自棄になった金俊平は警官隊を叩きのめして東邦産業を馘になり、太平産業へ移る。数カ月後、金俊平は飲み屋を経営する子連れで美貌の李英姫を凌辱して強引に結婚するが、かつて賭場の争いで半殺しにした極道たちとの大乱闘の末、大阪を離れる。直後、太平産業では朝鮮人労働者の解雇をめぐる激しい労働争議が起こるが、それは太平洋戦争前夜の暗い時代の幕開けに過ぎなかった。 ---引用終了 本作を原作とした映画・『血と骨』が2004年に公開されていますので、出演者を少々見ておきます。 ・金俊平 - ビートたけし ・李英姫 - 鈴木京香 ビートたけし(1947~) 鈴木京香(1968~)
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自分の国が不景気なので日本へやってきて、大阪でやりたい放題、気に入った女性は力づくで自分の女にする理不尽極まりない自己中心的なオジさんの傍若無人で唾棄すべき生活を描いたパワフルな1冊。 当然ながら家族の誰からも愛されなかったオジサンが、最後はこれまた顔も性格もスタイルもヤバい中...
自分の国が不景気なので日本へやってきて、大阪でやりたい放題、気に入った女性は力づくで自分の女にする理不尽極まりない自己中心的なオジさんの傍若無人で唾棄すべき生活を描いたパワフルな1冊。 当然ながら家族の誰からも愛されなかったオジサンが、最後はこれまた顔も性格もスタイルもヤバい中年女に物理的にも精神的にもボコられるわけで、結局彼を台風の目にして誰もが何がなんだかわからない人生を送っていくほろ苦さがジワりました。 ここまで極端じゃなくても自分のなかにも自己中心的で他人を苦しめる人格はあるように思うので、このオジサンを良い反面教師にさせてもらわなくては…。 なんだかんだで作者の文章力があるので、最後まで一気に読んでしまいました。 戦前から戦後あたりの大阪の在日朝鮮人を描いたお話ってパワーがあるものが多いですね。 by太郎
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凄まじい暴力のオンパレード。 東成、生野区あたりの戦中戦後にかけての在日朝鮮人の生活が活き活きと描かれており、どんどん読み進められた。 出身小学校も出てきて嬉しかった。 自分の祖先がどう生活してきたかが分かったような気がする。 性行為で女性を自分のものにしていく描写はくどくて食...
凄まじい暴力のオンパレード。 東成、生野区あたりの戦中戦後にかけての在日朝鮮人の生活が活き活きと描かれており、どんどん読み進められた。 出身小学校も出てきて嬉しかった。 自分の祖先がどう生活してきたかが分かったような気がする。 性行為で女性を自分のものにしていく描写はくどくて食傷気味。そんなわけあるかいなと思わずにはおれない。
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https://twitter.com/anton_book/status/1719829599297966172
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今まで知らなかった在日韓国人の歴史を垣間見る事が出来、暴力と性的な表現に溢れ、いっきにに読んでしまった。金俊平に、共感できる場面は全くないけど、凶暴な動物に対して抱くような関心が湧く。読んでいる間、どうして北野武が俊平を演じたんだろうという、疑問が常に頭に浮かんでしまい困った
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・あらすじ おれのおやじは強くて最悪で。 ・かんそう こいつ最悪。読んでて気分わるくなるけど引き込まれる。最後はちょっとスカッとする。スカッとする自分もちょっと嫌。読んだあとの記憶には残る小説。
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小説としては良い出来とは思えないが、人物像が強烈で力づくで読まされ、記憶に強く残る。主要な部分ではないがウジ虫の這っている肉を食べるシーンが特に印象的。ほんとにこれが美味しいのか?興味がある
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図書館にて借りました。 主人公・金俊平は作者のお父様がモデルだそう。 うーんこんな人が父親なら・・嫌だな、の一言に尽きる。 だって暴力が全てでケチ、無教養、愛=性欲。 環境悪すぎ(笑) 特に人の話や忠告に耳をいっさい傾けない。 会社の税金を納付することも、家族の食費、教育費さえ渋る。 そして誰より「俺を馬鹿にしやがって!」「ちゃーんとお見通しだぞ!」に拘る。 子供の10人近く産ませておきながら、可愛がるのは男の子だけ。 ふたりの内ひとりは対立して絶縁。 残ったひとりはしぶしぶ・・・と云う感じ。だろうね。 一番「血と骨」に「親子の血」に拘ったのも金俊平だと思う。 でも、教養がないから教育にいくらかかるかも解らない。 家族を愛そうとしても愛し方も解らないんだろうな。 よく、「金がなければ誰が俺に寄って来るんだ。金がなければ何もない」と云う。 威厳を保ちたいが、何をしても何を云っても「親子」ではもうないと心のどこかで解ってたんだなと思った。 最後に全財産を寄付して北朝鮮に移住するがそこで病気が再発。 正妻と実子が後にその時の様子を知ることになるが、あれだけの寄付の割りに貧しい生活をしていた事にムカッとする場面がある。 その時やはり「家族」なんだなと思った。 戦後から現在に至るまでの、色々な確執が浮き彫りになった一冊。
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すごい小説です。 梁石日の父親がモデルらしいのですが、どこまでがフィクションなのか、あるいはほぼ事実なのか。小説の持つリアリティとしては、もはやどちらでも良いのかもしれません。 ページを破ると血と内臓が出てきそうな、そんな小説です。 この長さで、良くこれだけの登場人物と大小のエピソードをぎゅうぎゅうに詰め込んだものです。 登場人物名について、ロシア人ほどではないですが、朝鮮名では誰が誰だかわからなくなります。 描かれる視点が状況によって変わっていき、主人公が誰なのか、誰の視点で感情移入すれば良いのかという点にも、読んでいて翻弄されます。 誰か一人を主人公に、というのであれば、やはり父親・金俊平でしょう。金俊平が大きな幹となり、全てを突き破る邪悪で粗暴な巨木の周りに身内や周辺の登場人物たちが否応なく巻き込まれていきます。 この主人公の特異性は、国籍や時代にはあまり関係ないでしょう。今の時代にどのように生きていけるかは分かりませんが、どの時代であっても社会に適合できることはないと思います。 -------------------------------------------------------------------------------- 読んでいて思い出したのが、「じゃりン子チエ」。 作者の梁石日と、はるき悦巳はおそらく同じ空気をある程度吸っていたのではないでしょうか。 大阪市の生野区と西成区。 かまぼこ屋とホルモン屋。 又、「じゃりン子チエ」には「男はつらいよ」に対して相似性を感じます。さくらを主人公に大阪を舞台にした「男はつらいよ」。ずっとそんな気がしてました。 テツに対するのは寅さんです。 一方、こちらの「血と骨」の主人公・金俊平は”リアル・テツ”という感じ。 生まれつき粗暴で、偏狭な価値観を持ち、金に汚く、ヤクザもビビって逆らわない一匹狼。 違うところはテツは女性に対して極端に純情である(ここは寅さんと一緒)のに対し、金俊平は強姦などもなんとも思わない鬼畜の性欲モンスター。 この点はテツとは大きく異なります。 遠慮せずに言えば、本作の主人公には一片の共感も持ち得ないし、まさに唾棄すべき人物ではあります。 -------------------------------------------------------------------------------- 読後にはなんとも言えない感情が残ります。 できれば、是非とも読んでもらいたい小説なのですが、内容や表現があまりにもリアルで、作中にも度々使われる表現「汚穢」が、形而上形而下にこれでもかと描かれます。耐性のない人には辛いかもしれません。
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ひさしぶりに読み直した「血と骨」。誰も信じず力づくで人を動かす罪深き金俊平が老い、妻子はやりたい放題、そして死を恐れる日々。同情の余地がないはずなのに哀れに感じるのはなぜだろう。各登場人物のたくましさ、生き様に飲み込まれ一気にやはり読んでしまった。決して読んでいて楽しい話ではない...
ひさしぶりに読み直した「血と骨」。誰も信じず力づくで人を動かす罪深き金俊平が老い、妻子はやりたい放題、そして死を恐れる日々。同情の余地がないはずなのに哀れに感じるのはなぜだろう。各登場人物のたくましさ、生き様に飲み込まれ一気にやはり読んでしまった。決して読んでいて楽しい話ではないがこれだけの惹き付ける力には毎回圧倒される。
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