マジメな話 の商品レビュー
ネットで読めた。 1998年の本。 小林よしのり、 岸田秀、 大槻ケンヂ、 堺屋太一、 鶴見済、 小室直樹、 今野敏、 宮台真司、 岡田和美、 総勢9人との対談。 この時すでに、 拡張される自己イメージの話が出てきていて、 オタキングexの萌芽が見て...
ネットで読めた。 1998年の本。 小林よしのり、 岸田秀、 大槻ケンヂ、 堺屋太一、 鶴見済、 小室直樹、 今野敏、 宮台真司、 岡田和美、 総勢9人との対談。 この時すでに、 拡張される自己イメージの話が出てきていて、 オタキングexの萌芽が見て取れる。 気になった点をいくつか。 大槻ケンヂとの対談。 大槻ケンヂがオタクに対してコンプレックスを抱いていた、 という話があって非常に共感した。 わたしも自分のことをオタクとは「言えない」と思っている。 「言わない」ではなく「言えない」。 これが意味するところは、 「オタクはすごい」という認識をわたしが持っているってこと。 つまり、 わたしの中で「オタク」というのは、 そのジャンルについての共時的・通時的な知識のみならず、 ジャンル横断的な知識も兼ね備えた「超教養人」というイメージが確乎としてあるわけだ。 例えばあるアニメがあるとする。 それを語る時、 そのアニメ単体で語るということは難しい。 「面白い」とか「かっこいい」とか「かわいい」とか、 表面的なことはいくらでも言えるだろうが、 そのアニメがどういう意味を持つのか、 ということはその時代の社会状況や、 それまでのアニメの前史を知らなければいけないし、 他ジャンルとの相互作用も勘案しなければいけない。 そうやって作品がアニメというジャンルのどこに位置づけられるのか、 表現というジャンルのどこに位置づけられるのかを、 マッピングするわけである。 このマッピングは批評とも言い変えられる。 なので、 オタクと批評家はぼくの中では割と近い存在。 その点で言うと、 今の「オタク」はオタクではない。 ぬるい。 ぬるすぎる。 36度のお湯に浸かっているようなものだ。(ある意味健康的だ) もはや一時のパンクの如く、 「ファッションオタク」が大半を占めているように思う。 でもそれは必然でもある。 何事につけ人口に膾炙すると中身は薄くなるから。 なんだか長くなってきたので後は短めに。 税金を払っている国民は国の客、 というこの本での岡田斗司夫の意見は、 国民国家崩壊の序曲だと思う。 「国民の義務」が「国民の権利」に摩り替わっている。 金を払えば客という考えは「義務教育」に関しても同じ。 親は「教育を受けさせる義務」があるのに、 それを権利だと思っている人が多いように思う。 こういったビジネスマインドが敷衍されきった暁には、 もれなく企業が国の代わりになることでしょうな。 アメリカのアップルトピアはその先駆けとなるかどうか。 クリエイターの時代は終わった話。 これは佐々木俊尚の「キュレーションの時代」に通じるような、 情報を整理して伝える人が一番強くなるという話。 今から十年以上前にこの発言は卓見。 疲れたので筆をおく。
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オタキング 岡田斗司夫による対談集 大槻ケンヂ「酒鬼薔薇は僕の代わりにつかまった」 ほか 小林よしのり・岸田秀・堺屋太一・鶴見済・小室直樹・今野敏・宮台真司・岡田和美
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何年かぶりで再読したら、予想以上に密度が濃く、面白かった。表現者にゆくえについて。現代における宗教の位置づけについて。
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オタキングこと岡田斗司夫の対談本。 ちょうど従軍慰安婦問題を扱っている頃の小林よしのりとの対談が載っている(対談者は他に宮台真司、小室直樹、大槻ケンヂら)。 南京大虐殺論議に見るその後のネット保守台頭に対する小林氏の嫌悪感を予期させる発言や現代の知識に対する岡田氏の捉え方など啓発...
オタキングこと岡田斗司夫の対談本。 ちょうど従軍慰安婦問題を扱っている頃の小林よしのりとの対談が載っている(対談者は他に宮台真司、小室直樹、大槻ケンヂら)。 南京大虐殺論議に見るその後のネット保守台頭に対する小林氏の嫌悪感を予期させる発言や現代の知識に対する岡田氏の捉え方など啓発されるところが多い。 現在のところ岡田斗司夫公式HPで全て読むことが出来る。
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