ジェイン・オースティンの読書会 の商品レビュー
書物が多様な読者によって、豊かに物語を汲み出されていくように、 読者の背景にも、多くの物語が潜んでいる。 そんな読者と読者とが、一つの物語を媒介にして出会ったとき、 そこにまた新しい出逢いが生まれて、自分と相手との新たな物語を互いに汲み出していくことになる。 読書会は、人と本と...
書物が多様な読者によって、豊かに物語を汲み出されていくように、 読者の背景にも、多くの物語が潜んでいる。 そんな読者と読者とが、一つの物語を媒介にして出会ったとき、 そこにまた新しい出逢いが生まれて、自分と相手との新たな物語を互いに汲み出していくことになる。 読書会は、人と本との出逢いだけに留まらない、 豊かな出逢いを作りだしていく場であるように思う。
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オースティンのある生活を 実際に読書会に参加して、意見を交換し合っているみたいで楽しい。メアリー・マスグローブは私も好き、と共感したり、ナイトリーさんを好きになれない人がいるなんてと驚いたり
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年齢も職業もバラバラな男女6人(男性は1人)が、 オースティンの作品について語り合っています。 本の感想って、その人を取り囲む環境に影響されるんだなって思いました。 読書会や本を通して、それぞれの人生が垣間見れて面白かったです。 恥ずかしながら、ジェイン・オースティンという...
年齢も職業もバラバラな男女6人(男性は1人)が、 オースティンの作品について語り合っています。 本の感想って、その人を取り囲む環境に影響されるんだなって思いました。 読書会や本を通して、それぞれの人生が垣間見れて面白かったです。 恥ずかしながら、ジェイン・オースティンという作家のこと知りませんでした。 私と同じような方は、後ろにある「読者のためのガイド」から読むことをお勧めします。 各作品のあらすじや、オースティンの作品への批評などが紹介されています。 私は本編から読んでしまって ちょっと失敗しましたが、それでも十分楽しめました。
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大学のゼミって言うのはある種の読書会になると思うんだけど、読書会の楽しみを教えたいときに、この小説読んでみ、って言ってみたい。
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ジェイン・オースティンを何故読むのか? それは現実に問題が山積しているからである。 そして、物語のような結末を誰しもが求める。 ただ、人生はその後も続くのだ。
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これはこれは……、相当に凝った本ですね!今年に入ってから、オースティンをちゃんと読んでみようかな、と思わせる外的契機がいくつか重なったので、『説得(説きふせられて)』を確かめてこの本の「8月」の章を、『ノーサンガー・アビー』を読んで「6月」、"P & P&quo...
これはこれは……、相当に凝った本ですね!今年に入ってから、オースティンをちゃんと読んでみようかな、と思わせる外的契機がいくつか重なったので、『説得(説きふせられて)』を確かめてこの本の「8月」の章を、『ノーサンガー・アビー』を読んで「6月」、"P & P"の後に「7月」を、というように、あちこちつまみ読みしていたのですが。(そういう読み方をも許す本だと思われます)。さて、登場人物やその設定や(私は果たして誰に最も感情移入できるのか?)、あれやこれやそれや一気に味わおうと思って、通し読みしました。面白い趣向の本だと思ったのは最初の印象で、もちろんそのとおりですが、それを超えて凝った作りのものでした。「訳者あとがき」にあるように、これを「もっとも楽しんで読める」のはオースティンを「毎年読み返す人」でありましょう。もちろん、読んだことがない人、ちょっとだけ読んだ人も楽しめるように、幾重にも工夫が凝らされています。表紙にも描かれている「読書会」メンバー6人を象徴する椅子のイラストがかわいいし、3月から11月までの、これらの椅子のイラストも、とっても愛らしい。オースティンの小説それぞれをとってみても、おそらくそこには様々な解釈が可能だし、そこに幾層もの皮肉やパロディや、著者自身の状況や思惑を読み取ることができるでしょうし、更にそれに「現代アメリカ」の6人の男女(1:5)の「悲喜こもごもの人間模様」を絡ませるとなると、こりゃあ、一度通読しただけでは「面白かった」以外のことは軽々には言えないかもしれません。一筋縄ではゆかぬ。そういう意味で、可能な限りの情報を盛り込み過ぎ?という感想によって☆をひとつ減らしていますが、今後、折々に参照できるな、という感懐からいえば満点、私はしばらく、これを手放すことはないでしょう。最近の日本語の新訳などを含め、オースティンの著作のほとんどを文庫で入手できるようになったのは(マヌケな私は「何でこんなタイミングでオースティン流行り?」と書店で思ったこともありました、ほんとにマヌケだ)、ひとつにはこの著のヒットと映画化という理由があったのでしょうね。風景描写や犬の顔(も出てるのでしょうね、当然)など、「実写」を味わいたい気もするので、映画は機会があったら観ようと思っています。とりあえず今のところ、この本を先に読むことができて満足です。「読書会(book club とか reading group とか)」は、日本では馴染みが薄いかもしれませんが、敢えて言えば「共通の話題を有する、幸福な(これは理想)人たちの集まり」ということになるでしょうか、なんとなく、数人から十数人ぐらいまで(20人を超えたら、きっともう「団体・組織」だ)、をイメージします。生身の人間が複数集まるのですから、たとえ当初の目論見とは違ってきたとしても、時が経つにつれて何が起きても不思議ではない。そうなんだよなあ、「この私」が生きている、ここだってあそこだってどこだってたなぞうだって、そうなんだよなあ。そう思いました。いずこも同じ、秋の夕暮れそしてそれは、決して不快とか悲観というものではなく、ほんとうに端的に「そうなんだよなあ」という感懐ではありました。とにかく「読みもの」として愉しいぞ、これが「全米ベストセラー」ならアメリカ侮るなかれ、と感じた次第、であります。[以下は、 完全なる蛇足です。]「なんだかね、今オースティンを読んでるんだけど」と、用事のついでに電話で父に言うと、「ああ、あの時代にしてはユニークだよなあ、おまえ、昔はブロンテ姉妹とごっちゃにして区別出来てなかったんじゃないのか? ほぉ、今ごろ面白いと思うか?」だそうです。父がオースティンを読んでる姿なんて見た記憶ないのに(わが父はブンガクシャでもブンガクケンキュウカでもない、「ちょっと本が好きなお父さん」のはずなのに)。きっと、私は父を超えられないでしょう。ここ数年を経て、はっきりとそう感じます。そう思えることを、これまたはっきりと「幸せ」だ、とも認めます。
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J・オースティンの小説世界の内容を取り入れながら描く現代の恋愛模様。巻末の付録の部分がとても面白い。
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この本が出てすぐ、図書館の新刊コーナーにあるのを見つけ、「読書会」と聞いては反応しちゃうぜ、と思いつつ手に取ったものの、他に借りたい本がたくさんあったため、そのときは書名と著者名をメモしただけで借りずに帰った。その後もなんとなく違う本を借り続け、そのうちこの本も新刊コーナーから姿...
この本が出てすぐ、図書館の新刊コーナーにあるのを見つけ、「読書会」と聞いては反応しちゃうぜ、と思いつつ手に取ったものの、他に借りたい本がたくさんあったため、そのときは書名と著者名をメモしただけで借りずに帰った。その後もなんとなく違う本を借り続け、そのうちこの本も新刊コーナーから姿を消していたのでそのまま忘れていたのだが、先日図書館をぶらぶらしていたらこの本が目に入り、そうだ、これ読みたかったんだ、と思い出して借りてきた。 わたしは実は、翻訳ものはあまり得意ではない。日本語が、不自然というほどではなくても日本の作家による本みたいにさらさらと頭に入ってこないので。そのせいで、わたしが翻訳された本を読むことは少ない。試しに読み始めてみても、日本語になじめずにすぐ途中で挫折してしまうことが多いのだ。それが、この本は自然と楽しみながら普通に読めた。その理由は、やっぱり内容が興味深くて、実際おもしろかったから、に尽きる。 帯に<オースティンの小説を読む6人の男女が織りなす悲喜こもごもの人間模様。ユーモアと皮肉に満ちた全米ベストセラーの傑作長編。>とあるが、まさしくこの通りの内容。ジョスリン、バーナデット、シルヴィアとその娘アレグラ、プルーディ、そして唯一の男性グリッグの6名が、それぞれの家に集まってオースティンの小説談義に花を咲かせる。 そして読書会の経過とともに、6人の人生が描かれる。それぞれの個性が際立っていて、どれが誰だっけ、という混乱はまったく起こらない。夫婦仲、友人関係、趣味、目指しているものなど、とてもリアルに描き分けられているのだ。また、この6人同士の人間関係も興味深い。本書全体の語りが「私たち」で進むため、「私たち」というのが本当は誰のことを指すのかは不明だが、自分も6人の仲間に入れてもらっているような、一緒に読書会に参加しているような、ちょっとうれしい身近さを感じることができるのも本書の魅力だ。 とくに何か事件が起こるわけでもないので(小さいものはちらほらあるが)、一般的には退屈な本だろう。事実、わたしが周りに「この本今読んでるんだけどおもしろいんだよー」と話してみても、興味を示す者はいなかったどころか、「自分には無縁の本だ」と言われるばかりだった。それでもわたしはなんだかこの本がすごく気に入ってしまって、忘れられない本になっていた。2500円ほどするのでちょっと高めだけど、購入しようと思っている。原書も買おうかな、と。 しかしわたくし、オースティン作品は読んだこたぁござんせん。一度も。でもすごく楽しめた。著者自身、<1.オースティンを読んだことがない人、2.昔一度読んだだけの人、3.毎年読み返す人、の三種類の読者を想定し、すべてを満足させられるように工夫をこらした>そうで、そのおかげで、一度もオースティンを読んだことがないわたしでも本当におもしろく読めた。でも、オースティン作品の中の文章を皮肉にもじったりしている箇所もあることだし、これでもしオースティンを読んでいたら、もっともっと、何倍も楽しく読めることだろう。 それだけでなく、個性豊かな6人がそれぞれの「オースティン」を持っていて、こだわりがあって、かなり深い読書会を行なっているのを見て(読んで)、自分もオースティンを読もう、読みたい、と思った。で、オースティンの原書を、買いましたとも。いずれわたしもクリフで、「ジェイン・オースティンの読書会」を開こうと思っている。 本書には、小説本編以外にも、オースティンへの愛が満ちあふれている。わたしのようにオースティンを読んだことがない人向けにオースティン作品ガイドがついているし、多くの人たちによるオースティン評(それも、シャーロット・ブロンテ、マーク・トウェイン、ヴァージニア・ウルフ、C・S・ルイス、そしてJ・K・ローリングといった錚々たる人物たちの!)も興味深い。そして、オースティン作品ではなくて本書の読書会のための、6人からの質問まで用意されている。本好きとしては、非常にうれしく、共感あふれる一冊だ。 自分も、こういう深い読書会討論をしてみたい。強くそう思う。 読了日:2006年7月16日(日)
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映画を見損ねたので、そしてまだDVDが出ていないので原作を読むことにしました。ジェイン・オースティン自体を読んでいません。(映画とかTVドラマしか見てません)まあ、みんな納まるところに収まってなによりなにより。この本で読書会が二倍楽しめそうです。ところで謎の‘私たち’ですね。
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ジェイン・オースティンは「エマ」「高慢と偏見」などで有名な19世紀前半のイギリスの女性作家。ロマンス小説の元祖みたいな作風で、村の中流家庭の男女の恋愛をいつも描いていて、当初軽く見られた面もあるけれど、現実味もあり、実に上手く書けているので〜後の作家にもファンが多いようです。 さ...
ジェイン・オースティンは「エマ」「高慢と偏見」などで有名な19世紀前半のイギリスの女性作家。ロマンス小説の元祖みたいな作風で、村の中流家庭の男女の恋愛をいつも描いていて、当初軽く見られた面もあるけれど、現実味もあり、実に上手く書けているので〜後の作家にもファンが多いようです。 さて、この本は、現代アメリカのごく普通の町で、オースティンの読書会を開く6人の男女の物語。 月に一度、誰かの家に集まり、一つの作品について語り合う会を開くんですね。 言い出しっぺのジョスリンはお嬢様育ちで仕切りたがりという現代版のエマ50歳といった感じ。シルヴィアは司書で、夫に去られたばかり。 同性の恋人のいるその娘、唯一の男性でオースティン初心者など… 作品に関連して思い出される痛い体験などを織り込みながら描かれる、数ヶ月の成り行き。 ユーモラスで皮肉をきかせた現実味がオースティンの作品を彷彿とさせます。 オースティンを読んだことがなくとも、十分面白く読める内容。 巻末には作品リストとあらすじに加え、オースティンについて語った有名人の評などもまとめられていて、これも楽しい。映画化されたのが公開されるところ。
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