1,800円以上の注文で送料無料

「カルト」を問い直す の商品レビュー

4.3

6件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/10/15

カルト問題について、主にオウム真理教の事例を元に 大学における勧誘、脱会カウンセリング、カルトの暴走、カルトの受け入れ拒否問題に至るまで調査し、 この問題に、社会として、個人として、どう向き合うのかを問題提起する本。 信者の入会から脱会、宗教団体の存続、団体と地域社会など カル...

カルト問題について、主にオウム真理教の事例を元に 大学における勧誘、脱会カウンセリング、カルトの暴走、カルトの受け入れ拒否問題に至るまで調査し、 この問題に、社会として、個人として、どう向き合うのかを問題提起する本。 信者の入会から脱会、宗教団体の存続、団体と地域社会など カルトについて、どういう問題が起こり得るのかが、分かった。 宗教をやめない自由VSやめさせない自由等や 近隣に宗教団体の本部ができた場合の団体側の権利VS住民の権利など、基本的な権利のぶつかり合いについて、 色々と考えさせられた。

Posted byブクログ

2015/07/18

何が正しくて、何が間違っているかを競い合うだけの議論では、緊急な現実問題が立ち塞がっている場合には、何の解決策にも繋がらない不毛のケースが非常に多い。これは、自分の立場を守る事だけを目指す為の論理しか働かせない思考だから仕方ない面もある。歩み寄り、妥協の中における解決策の捻出こそ...

何が正しくて、何が間違っているかを競い合うだけの議論では、緊急な現実問題が立ち塞がっている場合には、何の解決策にも繋がらない不毛のケースが非常に多い。これは、自分の立場を守る事だけを目指す為の論理しか働かせない思考だから仕方ない面もある。歩み寄り、妥協の中における解決策の捻出こそが求められている時に、己の正しさが証明されたところで、所詮どうでもよい事に過ぎないのではないか。利害が対立してる場合、完全にどちらかが悪いと押し込める事にどんな意味があると云うのだろう。社会の中で対立問題が生じたなら、完全に自分に有利な解決をする事は断念すべきであり、妥協を図る柔軟なる対応ができないと、対立が融和せずにいつまでも無駄な時間ばかり喰う羽目になるのだ。 カルトという名前は普通何らかの差別の意味合いを込めて、ある対象に宛がわれる。何事も明確な根拠を持たずに不当なる手続きによって何らかの対象を悪だと決め付ける主張をする者が居れば、社会的に危険な存在だと見なされても仕方がない。新宗教と云われる新興宗教団体が教義として掲げる内容には、悪の設定を自身に都合の良い解釈によって捏造しているケースが多い。いずれにしても社会の福祉を目的にした宗教であるからに、社会的な存在意義を持たない教団は存続する事が困難になるのは必至だ。一般市民にも何らかの合意が得られる内容の教義を持たなくば、社会から居場所を奪われていく事は時間の問題である。 宗教団体は現在、教義や信者数など上辺の形さえ整っていれば法人として活動する事を国から認められる。そしてどんなに危険だと目されている宗教団体でも、疑わしきは罰せずのように明確な犯罪が明るみに出なければ警察からの介入も禁じられているのが現状だ。怪しい活動を行っている団体の場合、その活動の実態を知る者に裁判を起こされるケースもあるが、違法である事が明確に証明されなければ勝訴にする事はかなり難しい。はっきりと違法であると証明できるものを確実に握っている上でなければ勝訴は勝ち取れない。どんな犯罪者でも罰せられた後は社会に復帰する。そして、我らは元犯罪者にも人権が認められるべきだとする考えで接しなくてはならない。不安要素が強いからと云ってその者を社会から抹殺する事は出来ないのだ。不安とは精神的な外傷とも云えそうだが、一般的にそれを根拠にその者を差別する事は法的にも許されないのが現状である。

Posted byブクログ

2014/03/01

北海道大学の宗教社会学の筆者が、カルトの問題について、まとめた全7章の本。現代の社会では、信教の自由が保障されているからこそ、カルトと認定すること、カルトとして対応することは常に困難があると思う。リスク社会と言われる中で、そのリスクは個人が負うべきなのか、社会が負うべきなのか、考...

北海道大学の宗教社会学の筆者が、カルトの問題について、まとめた全7章の本。現代の社会では、信教の自由が保障されているからこそ、カルトと認定すること、カルトとして対応することは常に困難があると思う。リスク社会と言われる中で、そのリスクは個人が負うべきなのか、社会が負うべきなのか、考えさせる知見が多かった。 内容としては、カルト全体像、オウムがテロ的なことが行なったときの各信者の様子、ディプログラミングや脱会カウンセリングなどの宗教を続けることと奪回させることの対立、宗教組織がカルトになる事例、オウム事件におけるテロの暴力的な戦略、周辺住民としてカルトを受け入れる人・受け入れない人、原則リベラルな大学がカルトの温床になってしまう実態など、いろいろと考えさせられた。

Posted byブクログ

2012/11/02

「カルト」という言葉はとかくレッテル貼りによく使われてはいるものの、その実態や性質について真面目に考えたりすることは普段多くはないだろう。本書は「カルト」とは何なのか、どのような性質を持っており、どう私たちの生活に食い込んできており、そしてどのような人々が関わっているのかを記述し...

「カルト」という言葉はとかくレッテル貼りによく使われてはいるものの、その実態や性質について真面目に考えたりすることは普段多くはないだろう。本書は「カルト」とは何なのか、どのような性質を持っており、どう私たちの生活に食い込んできており、そしてどのような人々が関わっているのかを記述している。 基本的にはカルト批判の本ではあるが、しかし的外れなカルト批判に対しては警鐘もならしており、バランスが良いと思った次第。現代人の教養としてカルトというのは必要だろうと思う。

Posted byブクログ

2011/04/18

新書だが、カルトについての諸問題をだいぶ掘り下げた形で取り上げており、読むのになかなか苦労した。しかし、この本で書かれていることはこれからカルト問題に対処していく心構えとして知っておきたいことばかりだ。特に第7章で書かれている、キャンパス内での宗教勧誘活動についての話は、大学の新...

新書だが、カルトについての諸問題をだいぶ掘り下げた形で取り上げており、読むのになかなか苦労した。しかし、この本で書かれていることはこれからカルト問題に対処していく心構えとして知っておきたいことばかりだ。特に第7章で書かれている、キャンパス内での宗教勧誘活動についての話は、大学の新入生などにはぜひとも読んでほしい章だと思う。実を言えば僕がこの本を手に取ったのは、大学でカルト団体に勧誘されたことがあり、もっとカルト宗教について知識を深めたいと思ったからだ。大学生の僕としては7章がやはり一番興味深く読めた。この本を通じて、自分の価値観と異なる価値観を持つ集団とどう向き合っていったらいいのかを、改めて考えるきっかけになったように思う。

Posted byブクログ

2010/05/28

[ 内容 ] 現代人は「心」の領域に救いを求めており、「カルト」の誘惑と隣り合わせだ。 テロに遭遇する危険性もゼロではない。 本書はオウムや統一協会などを事例に、このリスクへの対応策を考察する。 [ 目次 ] 1章 現代日本の「カルト」問題 2章 オウム裁判に見る「信教の自由」...

[ 内容 ] 現代人は「心」の領域に救いを求めており、「カルト」の誘惑と隣り合わせだ。 テロに遭遇する危険性もゼロではない。 本書はオウムや統一協会などを事例に、このリスクへの対応策を考察する。 [ 目次 ] 1章 現代日本の「カルト」問題 2章 オウム裁判に見る「信教の自由」というリスク 3章 宗教をやめない自由vs.やめさせる自由―脱会カウンセリングへの告発 4章 宗教組織がカルト化する時―性的暴行事件より 5章 「カルト」の暴力―オウム真理教の教団戦略とその破綻 6章 「カルト」を拒む論理、受け入れる論理 7章 キャンパス内の「カルト」問題 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ