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歌舞伎町午前零時「女衒の夜」 の商品レビュー

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2012/02/03

自らを『平成の女衒』と称する筆者が綴るノンフィクションです。ビジネス書として読むのか?はたまた日ごろ見ることができない裏側の世界の記録として読むかによって、その解釈が大きく分かれると思います。 皆さんは『女衒』という言葉を耳にしたとき、果たしてどんなことを連想するでしょうか?...

自らを『平成の女衒』と称する筆者が綴るノンフィクションです。ビジネス書として読むのか?はたまた日ごろ見ることができない裏側の世界の記録として読むかによって、その解釈が大きく分かれると思います。 皆さんは『女衒』という言葉を耳にしたとき、果たしてどんなことを連想するでしょうか?この本は、新宿歌舞伎町で『女衒』としてさまざまな女性との生き方にかかわった筆者の手によるノンフィクションです。 なんというのか…。純粋にビジネス書として読むのか。それとも、日ごろ表に出ることのない『歌舞伎町の住人』による貴重な証言の記録として読むのかで、この本の印象は変わってくるかと思います。僕はビジネス書として、『女』(本人は『荷物』という)とかかわり続けた人間として、どうしたらこの上もなく厄介な『女』というものをいかに自分のいうことを聞かせ、『商品』としてプロデュースし、自らも、そして女性たちにも利益を上げてもらうかを普請する筆者の姿は(その是非は問わないとして)ひとつの人間の生き方なんだなと読んだあとに感じました。 作中には、自分がなぜ歌舞伎町で女衒の道を道を選んだのかということと、彼を頼ってくる一筋縄ではいかない女性たちがそれぞれの運命をたどる姿を冷静な筆致で描き出していて、読みながら僕は歌舞伎町の旧コマ劇周辺にある噴水跡で見ていた『住人』たちのことを思い出していました。 堕ちていく女性。自分を見つけていく女性。目標額のお金を稼いで『夜の世界』をきっぱりと引退する女性。そんな彼女たちが赤裸々に描かれていて、あそこの街で生きるとはどういうことなのかということを教えてくれた本のひとつでございました。筆者のことは漫画や映画になっていたりするので、もしかしたら『あ、あの人のことね』という感じでピンと来る方がいるのかもしれません。

Posted byブクログ