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佐用姫伝説殺人事件 新装版 の商品レビュー

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2011/06/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

この話の舞台が佐賀県なので・・・ 自分の友達に佐賀県出身な友達が居ること、それから旦那の父が佐賀出身なことがあって、一体どのような土地なんだろうと興味があった。 読んでみて知った、焼物(陶芸の地)でこんなに有名なところだったとは! 唐津焼とか伊万里焼とか、有田焼とか。みんなこの辺りだったのだねぇ! またプロローグにあるように昔、川向こうからお女郎さんが船を漕いでやってきたような、物悲しい風情・・・そんな過去があったのだなぁと。 この物語、わたし的には好きだ。とても悲しい話なんだけどね。 何より、ヒロイン久子に感情移入してしまう。 彼女が恋を貫き恋人を守ろうとする姿、失恋、そして自分の出生の秘密を知り・・・その目まぐるしい感情の変化を、内田康夫が物凄く繊細に書いている。 それから物語の中で浅見が主張した、 「自分が事件を解明するため突き動かされるような力は好奇心と、そして天啓の如く導かれるものであり・・おそらくそれは芸術家が作品を作り上げるときに閃く何かと同じもの、つまりは貴方達が極めようとすることと自分がやっている原動力は同じだ」 的な言葉。 (私の文章が拙いため判りにくいかもしれないが・・・話を読んでおれば言わんとするところがわかるはず) この言葉に浅見の探偵としての自分の、「天命」的自負が表れている。 自分が苦労して、そしてようやく作り上げた最上の作品技術を他人に売られてしまったショックはどれほどだろう?? 才能ある愛する人の作品を、なんとかして世に知らしめたいという気持ち、 それが痛いくらいわかるだけに・・・この犯罪と結末が物凄く悲しい。

Posted byブクログ