「みんなの意見」は案外正しい の商品レビュー
体感的、経験的には「みんなの意見」が正しい事をある程度、私も知っている。関連する本でも読んだ。しかし、本著で述べられる潜水艦の位置や雄牛の重さを皆で当てるような「正しさ」には答えがあるから、答え合わせが可能だ。そうではない議論の場合、「正しさ」はどこにあるというのか。本著の盲点は...
体感的、経験的には「みんなの意見」が正しい事をある程度、私も知っている。関連する本でも読んだ。しかし、本著で述べられる潜水艦の位置や雄牛の重さを皆で当てるような「正しさ」には答えがあるから、答え合わせが可能だ。そうではない議論の場合、「正しさ」はどこにあるというのか。本著の盲点は二つ。一つは、答えがある問いに対し、大衆が答えに近付いていくメカニズムを解き明かしてはいない点。もう一つは、「正しさ」を定義していない点。 考えられるのは、議論に関与する人数が多く、より多くの人の意見が反映される議論の場が成立しているならば、気付きの数が増える分、全体利益に結びつきやすいという事。立場により利益が異なる場合でも、議論に参加する事で納得感が得られるならば、より「正しさ」に近づくのだろう。つまり、「正しさ」とは答え合わせが可能な範囲では、その経済合理的な最適解を。答え合わせが難しい場合は、大衆の納得感を指しておくのが良さそうだ。それなら数多く議論した方が、正しい方向に導かれるではないか。 経済学者ハーバートサイモンは、私たちは有限の合理性しか持ち得ない存在であると言う。限定合理性による判断を持ち寄って、全体利益っぽい決め事をする。個々のモチベーションは、自己利益の追求と最後通牒ゲームのようなフリーライダーを罰する心理的動機による。 経済合理性という言葉も範囲が不確かかも知れない。つまり、種の保存可能性を最大化する結論が正しさであり、後は、同種の範囲を自我の赴くままに規定していくのだろう。国、民族、ファミリー、会社、など。その国の正しさは、他国には不利益で大間違い、なんて日常茶飯事。それに対して、独裁でも民主主義的手続きであっても、答えなんて簡単に出ない。そこには、立場を選ばない限り、正しさが無いのだから。
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みんなの意見が専門家の意見よりも優れることを例を出しながら話す本 条件はあるが専門家よりも正しい意見を出せるというのは興味深い。一方で集団として賢い判断をするための条件の難しさもわかる。 賢い判断のためには ①意見の多様性:独自の私的情報 ②独立性:他者の考えに左右されない ③...
みんなの意見が専門家の意見よりも優れることを例を出しながら話す本 条件はあるが専門家よりも正しい意見を出せるというのは興味深い。一方で集団として賢い判断をするための条件の難しさもわかる。 賢い判断のためには ①意見の多様性:独自の私的情報 ②独立性:他者の考えに左右されない ③分散性:身近な情報に特化し、利用する ④集約性:個々人の判断を集計し一つの判断に集約するメカニズムの存在 個人の回答の情報と間違いのうち間違いが相殺され情報が残る できるだけ多くの選択肢を列挙し、そこから選択する 認知的多様性、調達先、アプローチ 大量の敗者を排出できる能力、敗者をはっきりさせ速やかに淘汰する能力 集団思考:異なる意見が合理的にありえないと思わせる 情報カスケード:情報不足の中で判断が積み重なる 賢い模倣①潤沢な選択肢②自分の意見を優先させる人の存在 個人が専門性を通してローカルな知識を入手、集約して集団全体に組み込む 認知の問題:個々が影響しない、調整の問題:個々の利益追求で解決可能、協力の問題:周りの人を信じる姿勢が肝要 信頼から手に入れられるメリットが非常に大きい 税金①周りの人の支払いの信頼②政府の使用法の信頼③悪を罰する信頼 議案が明確で、参加者全員が発言できるようリーダーが振る舞うと議論がいい方向に向かいやすい 権限の分散化により①関与度が高まり業績が高まる②調整がしやすくなる
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訳者のあとがきで著者の職業が一切書いていないので、論文の参考文献としてきちんとしたものかそうではないかわからなかった。アマゾンで見るとビジネスコラムニストということで、後半でビジネスのことが多様されているので納得がいった。 参考文献が訳では明記していないので論文をこれから書こう...
訳者のあとがきで著者の職業が一切書いていないので、論文の参考文献としてきちんとしたものかそうではないかわからなかった。アマゾンで見るとビジネスコラムニストということで、後半でビジネスのことが多様されているので納得がいった。 参考文献が訳では明記していないので論文をこれから書こうと思う場合は結構大変かもしれない。話としては面白い。 悪名高いゴールトンが市場で牛の優劣を専門家だけが見分けると考えていたがそうではなかったという説明は初めて知った。
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面白かったけど、納得感は薄かった。実例はあれど結果が示されてなかったからかも?私に合っていないだけだと思うけど、こういう本は共通して、話があちこちする印象でいまいち読みにくい。でも案外正しいのは、今後生きていく上でちょっと参考にできそうだなと思う。
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【由来】 ・ 【期待したもの】 ・ ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】
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組織体での意思決定に関わる人は必読だと思う。 原題は“THE WISDOM OF CROWDS”であるが、それを直訳せず、「〜案外正しい」とした点が素晴らしい。 なぜなら、それは常に正しい訳ではなく、「ある条件が揃っている時には」個人よりも集団の方が正しい意思決定を下す、という...
組織体での意思決定に関わる人は必読だと思う。 原題は“THE WISDOM OF CROWDS”であるが、それを直訳せず、「〜案外正しい」とした点が素晴らしい。 なぜなら、それは常に正しい訳ではなく、「ある条件が揃っている時には」個人よりも集団の方が正しい意思決定を下す、というのが本書の主張であるからである。 「群れのルール」と併せて読んだので、理解がより深まった。 [more] 集団の知恵 違いから生まれる違い―8の字ダンス、ビッグス湾事件、多様性 ひと真似は近道―模倣、情報の流れ、独立性 ばらばらのカケラを一つに集める―CIA、リナックス、分散性 シャル・ウィ・ダンス?―複雑な世の中でコーディネーションをする 社会は確かに存在している―税金、チップ、テレビ、信頼 渋滞―調整が失敗したとき 科学―協力、競争、名声 委員会、陪審、チーム―コロンビア号の参事と小さなチームの動かし方 企業―新しいボスって、どうよ? 市場―美人投票、ボウリング場、株価 民主主義―公益という夢
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読みやすい所と読みにくい所が、ありました。後書きを読むとカットした部分もあるそうなので、今の時代(2016年)なら完全版が出てもよさそう。集合知を働かせるには、仕組みが大事ということがよく分かりました。 小さい集団では、特に多様性、独立性、分散性、集約性がうまく働く仕組みが大切か...
読みやすい所と読みにくい所が、ありました。後書きを読むとカットした部分もあるそうなので、今の時代(2016年)なら完全版が出てもよさそう。集合知を働かせるには、仕組みが大事ということがよく分かりました。 小さい集団では、特に多様性、独立性、分散性、集約性がうまく働く仕組みが大切かな。 この本を軸にトークショーやワークショップがあるといいなぁ。 コミュニティや組織がうまく機能していないと感じている人は、読んでみるといいです。
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850個のジェリービーンズが入った瓶を見せられて、その数を言い当ててもらう実験をすると、グループの人それぞれの推測の平均値が、どの個人の推測よりもほぼ確実に正解に近い。とか、すごく賢い人が一人で判断するよりも、集団の平均の意見のほうが案外正しいこと、多いんですよ、って本。ただ、多...
850個のジェリービーンズが入った瓶を見せられて、その数を言い当ててもらう実験をすると、グループの人それぞれの推測の平均値が、どの個人の推測よりもほぼ確実に正解に近い。とか、すごく賢い人が一人で判断するよりも、集団の平均の意見のほうが案外正しいこと、多いんですよ、って本。ただ、多様性や分散性が必要。集団の意見がどんどん(後から見れば)間違った方向に行く場合には多様性が足らないことがままある、というようないくつかの歴史的事実も紹介。 これを読んでて考えるのはやっぱり裁判員裁判の判断についてで、第9章の陪審の話が興味深かった。正しい判断をする集団としては一定の規模も必要で、小さい集団は、メンバー同士の与える影響が直接的で避けようがないから、判断は極端から極端へ振れがちで、判断を大きく誤る可能性があるとのこと。これを避けるためには、やはり少数派の意見の存在が重要で、これがあることによって議論が深まると実験データも示しているとのこと。それから、発言者の発言量が多いほど、また最初の発言順ほど、影響が大きいことを示すデータもあるそう。裁判長・裁判官があとから発言するってやり方は、その意味ではよいようだ。 ただ、この本、たしかに「どうして」みんなの意見が案外正しくなるのか、ということは読んでもわからなかった。なぜか知らないけど社会っていうものはそうなるらしいということか。
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タイトルからお気楽なお話かな?と思ったら、結構読みごたえがある本でした。多くの情報が溢れていて、正解がない時代にピッタリの本です。 「専門家の意見よりも、多くの多様な意見をもつ大衆の意見のほうが、妥当であることが多い!ただし、大衆の意見に偏りを与える要因がなければ。。」といったと...
タイトルからお気楽なお話かな?と思ったら、結構読みごたえがある本でした。多くの情報が溢れていて、正解がない時代にピッタリの本です。 「専門家の意見よりも、多くの多様な意見をもつ大衆の意見のほうが、妥当であることが多い!ただし、大衆の意見に偏りを与える要因がなければ。。」といったところでしょうか。 小規模な集団で多様性を如何に確保し、集合知による妥当な方向性を見出すかが、現在の日本の課題でしょうね。難しいσ(´_`)
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THE WISDOM OF CROWDS: why the many are smarter than the few and how collective wisdom shapes business, economies, societies, and nations ― ...
THE WISDOM OF CROWDS: why the many are smarter than the few and how collective wisdom shapes business, economies, societies, and nations ― http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200805000104
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