これでいいのだ怠けの哲学 の商品レビュー
矛盾に満ちた本である。そもそも怠けものには本が書けないし、怠けものには本書を読破できない。やりたいことだけをやって生きていきたいということがここでいう「怠けの哲学」であろう。「自由は不自由やで!」(by ジョージ 富士川)といったところか。
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タイトルのようなテーマについては、バートランド・ラッセルやポール・ラファルグによるものが有名であるが、本書はそうした思想を幅広くまとめたような作品で、興味深い引用も多い。その性質からあまり大きな声で言うことができない、今の世の中に対して疑問に思っていることのほとんどについて触れ...
タイトルのようなテーマについては、バートランド・ラッセルやポール・ラファルグによるものが有名であるが、本書はそうした思想を幅広くまとめたような作品で、興味深い引用も多い。その性質からあまり大きな声で言うことができない、今の世の中に対して疑問に思っていることのほとんどについて触れているといってもよい。いろんな意味で可能性を見い出すことができる一冊。 「みなさん仕事したいんでしょ?だから景気を良くしてみなさんがやりたい仕事をたくさん作ってあげますよ」今の世の中はこうした流れとなっている。「仕事がしたい」ことと「仕事が欲しい」こととは異なる。みんな「仕事をしたい」のだろうか。仕事をしなければならないからその義務を遂行するために「仕事が欲しい」と言っているだけなのではないだろうか。 仕事をしない人間が増えれば自分の仕事の負担が増える。それゆえ仕事をしない人間を恨む。「サボる人間」とそれを「憎む人間」。そしてそのどちらが何をしようとしなかろうと「もらうものはもらう人間」。とかく反労働の話が出ると「自分勝手」「社会が成り立たない」といった非難を浴びることとなる。一部の人間を除いて、誰もが自分を守るために必死なのだろう。 本書で展開されているような考え方はあまり他人に推奨するべきではなく、自らが密かに実践するべき。そして、そんな自分に対する非難を受け流す方法と、必要以上の強制を拒否する術は、今後生きていくうえで不可欠のノウハウである。
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この三千年で人類が生み出した哲学、フィクション、詩、歴史の中から、怠けることについて書かれた文章を集め、集大成にしたもの。 「午前8時 起床 愚か者が早起きする」から始まり、「午前9時 仕事 何も週に五日も働くことはない」「午前10時 寝過ごす ひらめきはベッドのなかで」「午前1...
この三千年で人類が生み出した哲学、フィクション、詩、歴史の中から、怠けることについて書かれた文章を集め、集大成にしたもの。 「午前8時 起床 愚か者が早起きする」から始まり、「午前9時 仕事 何も週に五日も働くことはない」「午前10時 寝過ごす ひらめきはベッドのなかで」「午前11時 さぼる ずる休みこそ蜜の味」(中略)「午後6時 今日一杯めのお酒 過ぎたことと先のことは忘れるべし」(中略)「午後9時 ひここもる 家好きは家をきれいに」(中略)「午前2時 会話 時間を忘れておしゃべりを楽しむ」(中略)「午前7時 夢 夢、アナーキー、そして自由へと」まで、怠けもののあるべき一日の姿が語られていきます。 怠け哲学の巨人からの引用は、パスカル、オスカー・ワイルド、老子、ロシュフーコ、ブレイクと縦横無尽、あちこち名言だらけ。怠け者が超エリート、いや、もはや神的な存在にまで昇華されていく。恐るべし、怠けもの!!!!! Let's be elite "idler"! YES, YOU CAN!!! やる気がでないな~、さぼりたいな~、と思っているあなた、気に病む必要はありません。「何もしないこと」が重要なんです。
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