1,800円以上の注文で送料無料

デス博士の島その他の物語 の商品レビュー

4.3

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2012/01/01

感想のようなメモのような。 ■まえがき(限定本に収められたもの) 娘のテレーズの詩 (p6-7) ネビュラ賞授賞式での出来事 「島の博士の死」(p9-18) → あとがき「特別な贈り物」 ■デス博士の島その他の物語 ・「きみ」が主語(二人称現在)だから、自分が物語の中に入...

感想のようなメモのような。 ■まえがき(限定本に収められたもの) 娘のテレーズの詩 (p6-7) ネビュラ賞授賞式での出来事 「島の博士の死」(p9-18) → あとがき「特別な贈り物」 ■デス博士の島その他の物語 ・「きみ」が主語(二人称現在)だから、自分が物語の中に入った感じがする。  例えばランサム船長とタッキーが握手をかわす部分。  ぐん!と自分の背が伸びたような気持ちに。 ・主人公の名前を紹介する手法がすごくいい。 ・「スポットライト」  光の当たるところと当たらないところのイメージが浮かぶ。  物語は人生のある部分だけが抽出され、語られるもの。  物語である『デス博士の島』と同様、タッキーの話もそういう書かれ方。  「ショウを演じる」 → パーティー? ・『島』から抜け出た人物たちは周りにも見えている節があるので、  そのままに受け取る。  その前の接触も特にタッキーの妄想として読んではいなかった。  現実と地続きの文だったため。タッキーの住む島も陸と地続き。 ・「きみだって同じなんだよ」  『デス博士の島』にも、タッキーの物語を含む『その他の物語』にも、  結末はやってくる。だけど、本をまた読み直せば、みんな帰ってくる。  『デス博士の島』という物語、『デス博士の島』を読むタッキー、  そのタッキーの物語を読む私。入れ子状のつくり。  そして、それぞれのレベルは相互に干渉しながらも、閉じられている  (物語には終わりがある。そして、この作品から受ける孤独感によってそう感じる)。  もし物語の中を生きているとしたら、人はその中を生きることしか  できないが、誰かまたページを開きなおして会いに来てくれる人が  いるかもしれない。  世界が閉じていることだけに目を向けると悲しみしか感じないけれど、  下のレポにある「読書の力を書いた小説」というのは、その通りだと感じた。 END_OF_SCAN:デス博士トークショーレポ http://d.hatena.ne.jp/paraselene/20060307/1141696877 ■アイランド博士の死 つらい。物語の最後で自分も主人公と同じように閉じ込められて、もう出られない感覚が強く残った。 前の作品では、主人公の見る世界は『デス博士の島』から影響を受けるが、この話では主人公たちの感情が島に影響を与える…そういう相関性が、いろんなところではたらいているらしい。 再読して考えたいが心痛でしばらく読めそうにない。 上記トークショーで、「癒しの物語」という話題が出ているが、これもまだ私にはわからなかった。 芭蕉の俳句 「荒海や 佐渡によこたふ 天河」 http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/basho/okunohosomichi/okuno28.htm#ku2 「死の島の博士」にも閉塞感はあったが、脱出を狙う野心がみえたので「アイランド博士の死」の読後感よりは気分が楽だった。 ■アメリカの七夜 魅惑的。この読み物には仕掛けがあると教えてくれているので、たしかにわかりやすい。次に悩みながら読むのが面白そうだ。 ■眼閃の奇蹟 ボロ泣きする。最後がこの物語で良かった。 リトル・ティブの夢?から現れるキャラクター → 「デス博士の島その他の物語」 memo: 「入れ子」→ アクロイド『原初の光』冒頭、ケプラー - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ■関連リンク syzygy note:トークショーレポ  http://d.hatena.ne.jp/harunakajima/20060305/p1 ジーン・ウルフ勝手に広報部  『乱視読者のSF講義』  http://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336054418/

Posted byブクログ

2013/01/04

『モーフィー時計の24時』に収録されていた短編が印象深く、この作家のものを読んでみたくなった。短編それぞれがすばらしいし、全体の構成もいろんな読み方ができて、何度も読みかえしたくなる。「死の島の博士」「アメリカの7夜」「眼閃の奇蹟」が特に好き。SFでありながら古典らしい風格のある...

『モーフィー時計の24時』に収録されていた短編が印象深く、この作家のものを読んでみたくなった。短編それぞれがすばらしいし、全体の構成もいろんな読み方ができて、何度も読みかえしたくなる。「死の島の博士」「アメリカの7夜」「眼閃の奇蹟」が特に好き。SFでありながら古典らしい風格のある小説集だと思いました。次は長編を読んでみるか。

Posted byブクログ

2010/08/03

「読む」という行為をテーマに編まれたかのような短編集。幻想的な美しさは何度も読み返したくなる。お気に入りはラストの一説が素晴らしい表題作と、如何様にも解釈出来そうな居心地の悪さが逆に快い「アメリカの七夜」。

Posted byブクログ

2010/07/27

[ 内容 ] 「だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ…きみだってそうなんだ」孤独な少年の元に物語の登場人物が訪れる―ウルフの代表作にして不朽の名作「デス博士の島その他の物語」、治療を目的とした島における少年たちの非情な運命を詩情豊かに描き出すネビュラ賞・...

[ 内容 ] 「だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ…きみだってそうなんだ」孤独な少年の元に物語の登場人物が訪れる―ウルフの代表作にして不朽の名作「デス博士の島その他の物語」、治療を目的とした島における少年たちの非情な運命を詩情豊かに描き出すネビュラ賞・ローカス賞受賞作「アイランド博士の死」、冷凍睡眠から目覚めた男を待ち受けていたものは…「不死」のテーマをサスペンスフルに展開する「死の島の博士」、文明崩壊後のアメリカでの謎と幻惑に満ちた彷徨を流麗な筆致で綴る「アメリカの七夜」、目の見えない少年が繰り広げる夢と奇蹟と冒険の物語「眼閃の奇蹟」、そして限定本に付された著者による「まえがき」を特別収録。 「もっとも重要なSF作家」ウルフの傑作中短篇を集成。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2009/12/22

特に「眼閃の奇蹟」が好き。これは、比較的素直に読めます。 ジーン・ウルフの難解さって、文章や構成の問題以上に、訴えてくるところが感情や論理じゃないからかも?

Posted byブクログ

2009/12/02

「death」「island」「doctor」この三つの言葉を入れ替えたタイトルの、全く異なった(それでいてどこかつながっている)中短編を集めた本。「デス博士の島」「アイランド博士の死」「死の島の博士」三つとも語り口、切り口をガラリと変えて描く世界に驚嘆!どれかひとつだけ読んだら...

「death」「island」「doctor」この三つの言葉を入れ替えたタイトルの、全く異なった(それでいてどこかつながっている)中短編を集めた本。「デス博士の島」「アイランド博士の死」「死の島の博士」三つとも語り口、切り口をガラリと変えて描く世界に驚嘆!どれかひとつだけ読んだら「うん、面白い」くらいの感想だったかもしれないが、一人の作家がこうまで多彩な表現方法を持っている、というところに感動。「島三部作」+2編、どれをとっても遜色ない5編の物語は、虚構の中の虚構が現実なのか虚構なのか段々分からなくなって、ワー!となった挙句、そもそもこの物語自体が虚構だったのだ!と、はた。と気づく。という具合。

Posted byブクログ

2009/10/04

読み終えるのに、えらく時間がかかった一冊。 普段の3倍近くかかった気がする。 なんといっても、飛ばし読みができない内容だし。 ささいなエピソードも、もしかしてなにかの複線ではないかと勘ぐってしまう。 実際そうだった。 構成も秀逸だったと思う。 不可思議な余韻を残す「アメリカの七...

読み終えるのに、えらく時間がかかった一冊。 普段の3倍近くかかった気がする。 なんといっても、飛ばし読みができない内容だし。 ささいなエピソードも、もしかしてなにかの複線ではないかと勘ぐってしまう。 実際そうだった。 構成も秀逸だったと思う。 不可思議な余韻を残す「アメリカの七夜」のあと、 慈愛に満ちた「眼閃の奇蹟」で締めたのはよかった。 島3部作(そしてオマケつき!)も堪能した。 うん、「堪能した」というにふさわしい一冊かも知れない。 何度も読みたくなる。丁寧に言葉が綴られた、美しい一冊。

Posted byブクログ

2011/06/29

死の島の博士の島の死の島の博士の島の死の島の博士の島の死の島の博士の島の死の島の博士の島の死の、大好きだ、大好きだ、大好きだ。切なさと幻惑と混沌が、驚くべき正確さで脳みそを引っさらっていく。最後に持ってこられた短編「眼閃の奇蹟」もすばらしい。「大切なものは目に見えない」のではなく...

死の島の博士の島の死の島の博士の島の死の島の博士の島の死の島の博士の島の死の島の博士の島の死の、大好きだ、大好きだ、大好きだ。切なさと幻惑と混沌が、驚くべき正確さで脳みそを引っさらっていく。最後に持ってこられた短編「眼閃の奇蹟」もすばらしい。「大切なものは目に見えない」のではなく、「目に見えるものだけをみていると大切なものに気付かない」んだ。

Posted byブクログ

2009/10/04

ジーン・ウルフ二冊目。すごい。完全に恐れ入りました。かれの小説のなかにある不確かさと居心地の悪さがとてもすき。いつまでも化かされていたい。

Posted byブクログ