ヴードゥーの悪魔 の商品レビュー
『ニューオリンズ三部作』の冒頭作品。未訳作品なので読む気になったのだが、とんでもなく退屈な書物だった。まず、謎の主旨がよく判らない。ひとつの手掛かりが提示されるまでに、どうでもいい会話やエピソードに苦しめられるのがたまらなく辛い。しかもそのスタイルは最後まで変わらないので、途中で...
『ニューオリンズ三部作』の冒頭作品。未訳作品なので読む気になったのだが、とんでもなく退屈な書物だった。まず、謎の主旨がよく判らない。ひとつの手掛かりが提示されるまでに、どうでもいい会話やエピソードに苦しめられるのがたまらなく辛い。しかもそのスタイルは最後まで変わらないので、途中でほとほと飽きがくる。カーと言えば、話の展開を把握しやすいイメージがあったが、本作品のお陰でそのイメージは粉々に吹き飛んだ。展開のややこしさもひどいが、時代錯誤的な台詞も読めたものではない。肝心のトリックもお粗末。しかし、真犯人に辿り着くプロセスの端々にカーらしさは垣間見える。好ましくない部分ばかりが目立って見えるが、全体を通してみるとやはりカーの作品なのだなと思う。本作品の創り出す世界観に私が合わなかっただけなのだろう。
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