空想亭の苦労咄 の商品レビュー

安野光雅(著者)

2021/04/22

2006年春に出ていたが、ちょうど10年前に買って（ブクログに登録して）、ずっと積読だった。
噺家のような口調でそれからこれへと来し方を語るエッセイ。今までほかの文章で読んだことがある話も少なくはない。書いている途中に狭心症の治療をして楽になったと思ったら今度は肺がんがみつかって治療が続き…で少しずつ死を意識して遺書めいた気分になってきたという（結果としてその後もさらに十年以上も活躍なさったわけだが）。

最後に書かれていた、キツネの自立といちごのランナーの話が印象深かった。この春大学生になって家を離れた娘は、ちょうどいちごがランナーを伸ばして自分の根をはり始めるとときなのだな、いまはランナーから栄養をとっていても、いずれしっかり根付いたら、ランナーは自然と枯れるのだな、と。

2009/10/04

中身を知らずに読んだ。
随筆だということはわかるのだが、なかなか全体の流れがつかめない。これはなんなんだろう。

最後まで読んでやっとわかった。この本は安野さんの遺言書なのだ。

安野さん。
なんでも出来る素敵な人。大好きな人。
ここに登録するときに、安野さんの著書の多さを知って驚いた。
少しずつ読んでいきたい。

2009/10/07

無類の落語好きのアンノ先生が、空想癖を駆使して語る「自伝のような
もの」。抱腹絶倒しながら読んでいると、人生哲学が鮮やかに浮かび
上がってきます。