アメリカ型資本主義を嫌悪するヨーロッパ の商品レビュー
本書を通じてヨーロッパとアメリカが21世紀に入ってから違う方向を向いて社会を構築していることがわかる。本書のメインメッセージは、これから人口が減少フェーズに入っていく日本は、拡大していくアメリカではなく同じ状況下に置かれ、基本的に非軍事的なシビリアン・パワーを目指しているEUをお...
本書を通じてヨーロッパとアメリカが21世紀に入ってから違う方向を向いて社会を構築していることがわかる。本書のメインメッセージは、これから人口が減少フェーズに入っていく日本は、拡大していくアメリカではなく同じ状況下に置かれ、基本的に非軍事的なシビリアン・パワーを目指しているEUをお手本とすべきということだ。アメリカが21世紀に入ってから、軍事パワーの強大化、また9.11を受けて軍事的な先制アクションというほぼ違法とも言える行為を始めるようになった。このアメリカの行動様式が世界を不安定にしている様子がわかりやすく記載されている。本書を通じて「退化するアメリカ、進化するヨーロッパ」の様子が記載されているが、アメリカが今後も進化するとしたら、それは今後も世界各国から優秀な人材を吸収する魅力を持ち続けられるかに依存するだろう。国内の取締りが厳しくなりナショナリズムを高揚させているアメリカをみると、これも怪しいかもしれない。本書は日本の政治家、官僚はぜひ読んでおいてほしい本である。
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