イノベーション 破壊と共鳴 の商品レビュー
クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」の対論としての位置づけもあり、その視点で注目されているが、元々の論拠に大変納得ができる点が多い。 実際にこの本を書かれたのは少し前だが、政権交代を迎えた現在の日本の問題点を予測したかのような問題提起もされている。しかも理系的で緻密な視...
クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」の対論としての位置づけもあり、その視点で注目されているが、元々の論拠に大変納得ができる点が多い。 実際にこの本を書かれたのは少し前だが、政権交代を迎えた現在の日本の問題点を予測したかのような問題提起もされている。しかも理系的で緻密な視点で。 是非とも日本の現状を踏まえた続編を期待したいところである。
Posted by
イノベーションを目指す会社は大きくなってはいけない。 それでも大きくなりたいならフラットな組織が前提になるが、会社組織運営は時代の要請でどんどん複雑化し、もはやフラットではいられない。 会社の枠を飛び越えた活動こそ、イノベーションを生み出す。
Posted by
DBS山口栄一先生の書籍。授業の教科書として購入、読了。クリステンセンの誤謬を明快に指摘し、その後に先生独自のイノベーション論を展開。イノベーションの類型やその源泉が分かりやすくまとめられている。文系の自分にとっては大変知的刺激に富む内容だった。
Posted by
(S) イノベーションの分類として「パラダイム破壊型」を提唱。 クリステンセンが提唱した「持続型イノベーション」「破壊型イノベーション」という対となる概念に対して、「パラダイム破壊型」と「パラダイム持続型」という対を筆者は提案する。 「パラダイム」とは、製品が基づく科学・技...
(S) イノベーションの分類として「パラダイム破壊型」を提唱。 クリステンセンが提唱した「持続型イノベーション」「破壊型イノベーション」という対となる概念に対して、「パラダイム破壊型」と「パラダイム持続型」という対を筆者は提案する。 「パラダイム」とは、製品が基づく科学・技術分野の事で、真空管からトランジスタへの変化を振り返ると分かりやすい。真空管の増幅原理は、古典的な電磁気学によって科学的に明快になっているし、それを製品化する技術もある。それに対してトランジスタは、従来の古典電磁気学では説明することができない現象が起こる。そこには「量子力学」という新たなパラダイムが必要になる。 パラダイム破壊型という考え方はユニークであるものの、本書に対してふたつの疑問点が残っている 1. クリステンセンのいう破壊型イノベーションを極端に狭く捉えている 2. 科学・技術に偏重しすぎていて、その他の要素がイノベーションにどう関わるのかが分からない 「イノベーションのジレンマ」の詳細までは忘れてしまったが、クリステンセンは「性能」だけにフォーカスして「破壊」や「持続」を語っていただろうか?性能だけでなく、コストなどの観点も入っていたと記憶するがどうだろう。仮に自分の記憶が正しいとするならば、本書でしている主張を補完するためにクリステンセンを持ち出すのは適当ではない。(クリステンセンを引き合いに出したのは出版社の意図が大きそうな気もしているが) また、イノベーションを成り立たせる要素が科学・技術に偏りすぎていて、そんな小難しいことに基づかないイノベーション(例えば iPodやWii)をどう説明づけるのだろうか?そのへんがなんだか良く分からない。 イノベーションを「技術革新」という字面どおりに捉えれば、科学や技術だけでいいのかもしれないが、自分の「イノベーション」の大きさ感とは少し違うので、違和感が残る。 内容はまぁまぁだけど、これで2600円は高い。
Posted by
山口栄一さんが書いた『イノベーション、破壊と共鳴』を読みました。この本の帯には、『イノベーションのジレンマで見逃したことこそが…』、とある。気になって買った本です。 かの有名な青色発行ダイオードの開発について、各社がどのように対応してきたか、という実例部分はかなり面白い。そして...
山口栄一さんが書いた『イノベーション、破壊と共鳴』を読みました。この本の帯には、『イノベーションのジレンマで見逃したことこそが…』、とある。気になって買った本です。 かの有名な青色発行ダイオードの開発について、各社がどのように対応してきたか、という実例部分はかなり面白い。そして、本の終盤では、いろいろな提言が書かれているが、提言は示唆に富んでいて読み応えがあった。イノベーションが上手く行われるためには、「暗黙知」と紹介される「こうかもしれない」の組み合わせが必要とされ、ただしそれを単に体系化したり表現するのでは駄目で、同じ目的を持つ、異なる個性(や研究分野)の人に”共鳴”させることが大事なのだと。イノベーションのジレンマよりも1つ座標軸を加えたものかな、と僕は思いました。 ”共鳴”・・・この言葉だけでは具体的には分かりにくいですが・・・、は今僕が根ざしているもの、目指しているものと同じだと感じた。しかし、「暗黙知」と言われる知恵や考えを出し合う場は、なかなかうまく持つことができない。また、この本で面白かったのは、組織化された優秀な人は「暗黙知」を体系化・形式化してしまうので、そこで思考が止まってしまうとも。自分も含め、如何に組織が、新しい考えに貪欲で、議論に柔軟で、敢えて違う角度から議論をしてみるほどの自由で、あるためには日ごろからどういう場を作ったらよいか、考えることになった。 ある章では、2つの研究都市、つくばとソフィア・アンティポリスが対比されていてこれも面白い。アンティポリスには信号がほとんどないそうです。不規則な道路、自然に接することのでき、芸術家を含め様々な分野の人が住んでいる。一方のつくばは、均質的です。僕は2年住んだことがあります。綺麗ですが、人工的な感じは否めません。どちらがより創造性を喚起しますか?と。 ちなみに、今これを書いているカリフォルニアは自由であって、いろんな文化や専門分野の人とも接することができるという意味では良いのかもしれない。東京も、街としては決して画一化はされていないと思う。ただ、日本人という面では比較的均質化されやすいので注意しないといけないかも。 以上、僕のブログより:http://d.hatena.ne.jp/ninja_hattorikun/20070917/1256431284
Posted by
- 1