物理数学入門 の商品レビュー

川畑有郷(著者)

2016/08/17

だいたい読んだ(2016/08/17)(微分方程式の章は読んでいない)
物理で使う数学をまとめてある学部生向けの入門書である。

線形代数と微分積分は取り扱われている内容が少ないので、他の本も読んでしっかり学んだほうがよい。例えば線形代数では、連立一次方程式の解についてランクを使わず説明している。うまくかけてはいるものの、やはりすっきりとはいかない。齋藤などのきちんとした本も読んだ方がよい。自分は物理はよく知らないのだが、ベクトル解析の章はよかった。

なんといってもこの本の良さは後半部分で、ベクトル解析～複素関数論～フーリエ級数～フーリエ変換～ラプラス変換のそれぞれの関連が非常にわかりやすい。またフーリエ変換の威力を感じ取れる構成になっていると思う。個人的には、本書のように様々な分野を含む本はあまり好きではなかったのだが、少し考えが変わった。

各章とも内容は不足気味だが、重要な部分がわかりやすく書かれており読んで損のない本だと思う。