詩的自叙伝 の商品レビュー
こんな抜群のセンスを持った詩人を今まで知らずにいたなんて…。 寺山修司の過去の作品も是非読んでみたいと思った。
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寺山修司の詩論集。詩は行為の残骸であり、詩はある状況のもとで成るものだとする「行為とその誇り」。公衆便所の落書きに、匿名の大衆の、権力から逃れた言説のコミュニケーションを見る「落書学」。これは、匿名的なコミュニケーションがインターネット時代の現在にも示唆を与えるのではないか。童...
寺山修司の詩論集。詩は行為の残骸であり、詩はある状況のもとで成るものだとする「行為とその誇り」。公衆便所の落書きに、匿名の大衆の、権力から逃れた言説のコミュニケーションを見る「落書学」。これは、匿名的なコミュニケーションがインターネット時代の現在にも示唆を与えるのではないか。童謡らに、自己の中の「子供」を見出し、自己を異化し、自己を作り変える可能性を見る「顔なしわらべ唄」。詩を書くことによるエロス的原則の革命を訴える「犯罪的想像力」などなど濃密な論考が揃っている。 余談だが、寺山修司の詩論、演劇論はドゥルーズやフーコーの思想と共通するものがあると思う。
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