ロングシーズン の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
とても素敵なバンド、フィッシュマンズのボーカリストだった、故・佐藤伸治さんの生み出した、大変に素敵な歌詞の数々が収められています。 いやあ、こう、グッとくるんだなあ。モチロン、音楽と合わさることで、その「グッとくる」具合は、天井知らずに高まっていくんです。 少しでも多くの人に、フィッシュマンズの音楽が、届くといいなあ。 そして、佐藤伸治という、とても素敵な人がいたことを、知ってほしいなあ、そう願うのみなのです。 あの人に驚きと感謝込めて、聴くだけだった読むだけだったのです。そう全部。
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「ドアの外で思ったんだ あと10年たったら なんでもできそうな気がするって でもやっぱりそんなのウソさ やっぱり何も出来ないよ 僕はいつまでも何も出来ないだろう」 今では90年代を代表するとも言われるフィッシュマンズの中心人物、故・佐藤伸治が紡いだ言葉を集めた、詩集。自...
「ドアの外で思ったんだ あと10年たったら なんでもできそうな気がするって でもやっぱりそんなのウソさ やっぱり何も出来ないよ 僕はいつまでも何も出来ないだろう」 今では90年代を代表するとも言われるフィッシュマンズの中心人物、故・佐藤伸治が紡いだ言葉を集めた、詩集。自分がフィッシュマンズを聞き始めたのは佐藤氏が亡くなってしまってずっと後からで、そのせいかどうしても彼らの音楽が「予め喪失を前提」としたものとしてしか受け入れられなかった。とはいえ、それゆえに自分にとってフィッシュマンズは心を落とした際の「避難所」としての役割を果たしてくれていた。 「気の合う人はそんないないんだよ 世の中はきびしいもんだよ だから 誰かを捜そう 誰かを捜そう」 どれだけ「君と僕」というモチーフを描いても、そこから滲み出るのは君の不在であり、それ故か決して「愛」という言葉だけは使う事のなかったその世界は、レゲエ/ダブを基調とした隙間だらけのポップ・ミュージックとして鳴らされることで隙間だらけの心に寄り添うものとして「在って」いた。 「楽しいことなんて そんなにありゃしないから」 「このゆううつな顔もきっと 笑顔に変えようぜ」 90年代が「漠然とした不安」を象徴していたとするなら、ゼロ年代は「切実な、痛み」を象徴する10年間だったと思う。自分より下の年代の子達が歪に堅牢化されたシステムというものに順応化できず心を病みゼロ年代の所謂「鬱系ロック」というものに自分をアイデンティファイすることで何とか自我を保っているというやりきれない状況に、そこからエスケーピングする手段としてフィッシュマンズという選択肢を提示できたら、そんな事を幾度も夢想しているんだ。 「すばらしくNICE CHOICE な瞬間 そっと運命に出会い 運命に笑う そんな時はいつでも 暑かったんだ この空だけがいつだって味方だったんだ」 驚きと、感謝込めて。
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ふと佐藤さんが残した言葉が必要な時がある。フィッシュマンズの音楽と同様、言葉だけでも救われた気持ちになる。大切は言葉の数々。
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Fishmansボーカルの佐藤伸治詩集。彼はもうこの世にはいないけど、彼の生み出した言葉は今でもきらきら、きらきら輝いてる。
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