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クシュラの奇跡 の商品レビュー

4.6

18件のお客様レビュー

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2024/06/25

作者ドロシー・バトラーの孫娘のクシュラは染色体異常による重度の障害を持って生まれ、心臓には小さな穴、喘息状態による湿疹性発疹、頭血腫による重度の黄疸、けいれん、目の焦点を合わすことも、腕も制御することもできず、そのほかにも多くの病気を次々と発症する。それでも両親はクシュラを施設に...

作者ドロシー・バトラーの孫娘のクシュラは染色体異常による重度の障害を持って生まれ、心臓には小さな穴、喘息状態による湿疹性発疹、頭血腫による重度の黄疸、けいれん、目の焦点を合わすことも、腕も制御することもできず、そのほかにも多くの病気を次々と発症する。それでも両親はクシュラを施設に預けず自分たちで育てようと決心し、誕生から3歳9か月までの成長過程と絵本に示すクシュラの反応を記録する。生後4か月のときにクシュラは絵本を見ようとする意志を示し、全身を耳にして聞き、8か月を過ぎると長時間絵本を見せるのが習慣になる。 「生後9か月のとき、両親はクシュラの未来について考えることがこわいほどであったし、クシュラには未来など存在しないのではないかと恐れていた。それが18か月になったいま、クシュラのためにプランを立て、あれもこれも必要になるだろうと先を考える日々となった。それというのもクシュラがあらゆる障害や痛い検査や治療にもかかわらず、強い精神力の、のびやかな子どもに成長し幸せな子どもになりつつあったからである。よく笑い、ぐあいが良いひとときは楽しみ、逆境から立ち直る子どもに。」 クシュラへの徒らな感傷を封じ、将来への希望の扉を開く為に全力で支え愛情を注ぐ家族の姿とクシュラの飽くなき探求心に胸をうたれる一冊です。

Posted byブクログ

2023/07/10

どんな読み聞かせ促進本より、この本を読むべきと感じた。赤ちゃんは確実に絵本を欲してる。そして保育者は赤ちゃんに絵本に親しめるように、その道筋を導いてあげるべきである。

Posted byブクログ

2020/10/07

図書館の読み聞かせコーナーにあった。子供の障害にかかわらず本を読み聞かせることの楽しさが伝わってくる本であり、同時にクシュラの両親が幼い乳児(「健常児」であればまだ読み聞かせなんて始めないであろう時期)に読み聞かせを始めた状況を思うと胸が痛くなる。忍耐、優しさ、力強さ…すごい家族...

図書館の読み聞かせコーナーにあった。子供の障害にかかわらず本を読み聞かせることの楽しさが伝わってくる本であり、同時にクシュラの両親が幼い乳児(「健常児」であればまだ読み聞かせなんて始めないであろう時期)に読み聞かせを始めた状況を思うと胸が痛くなる。忍耐、優しさ、力強さ…すごい家族だなあ。

Posted byブクログ

2020/08/09

読み手のとらえ方によって色々な受け取り方があると感じた。 たくさんの絵本との出会いもあり、障害児との生活もあり。

Posted byブクログ

2021/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何年か前から気になっていた本書。図書館の書庫から借りた。ブクログの画像とは違う背景色が黄色のもの(1984年5月初版発行、1988年5月第21刷 のら書店)。クシュラとその妹を育てながら、多くの絵本を読み聞かせ、手をかけ、こんなにも細かな記録を取っていたその努力に脱帽。こんなふうに子どもに向き合っている家族がいたのだと、圧倒される。そして後記にあるように、その後父親は自宅で陶器を作り、母親はオークランド市の企業に勤めつつ会社のすすめで大学の研究科(数学)で論文を仕上げているという、その自らの人生も活き活きと進んでいく姿に、尊敬とあこがれの気持ちを抱いた。私も細々と勉強中の身。下の子が入園する来春には、稼ぎ始めたい。 紹介されている絵本は既読のもの、気になっていたものも多数あり、当時の名作はやはり今も名作なのだなとしみじみするとともに、そこから現在までにさらに多くの素敵な絵本が生まれていることを感じ、絵本や本との出会いはご縁だなあと改めて感じた。娘、息子らにも本、音楽、人、場、その他多くの素敵な出会いがあるよう、出会いの場と環境を、できれば適切なときに提供していきたいと、改めて感じた。そのために、よく子どもらを、そして自分と家族と時世を、よく観察したいものだ。2020/7/10 ◆引用 (後記) p119… 夫婦(略)二人はまた、友人は物より大切であり、お金は物をふやすためにではなく、興味の対象を維持しひろげていくために使われるべきであるという信念を分かちあっています。 p123… しかし私はまた、すすんで子どもと本の仲だちをする人間がいなければ、そもそも本が子どもにわたらないことも知っています。 (訳者あとがき) p126… 私が参観したユニークで楽しいバトラーさんの読書学習については、いずれ別の機会にご紹介したいと思います。 →Amazonで百々さんの著書を検索したところ『赤ちゃんの本棚 0歳から6歳まで』『5歳から8歳まで-子どもたちと本の世界』があった。この2冊かな。読んでみよう。 →図書館で調べたら、『5歳から8歳~』は無かったが、『赤ちゃんの本棚 0歳から6歳まで』『子ども・本・家族』『みんなわたしの 幼い子どもにおくる詩集』の3冊があった。全て読みたいな。 p127…「本を子どもの周囲におくこと。いきなりストーリーに入らず、表紙や見返しをゆっくり見せて想像をふくらませ、本に注意を向けさせること。怒らずにほめること。」家庭での読書教育のこつはこれだけです、とバトラーさんはいいます。バトラーさんの読書学習に参加した子は、集中力がつくし、本好きになって、兄弟や友人をさそってまたやってくるそうです。 p127… 著者は、本書のなかで孫娘クシュラにおける本と知能の発達のかかわりを詳細に述べ、七章では二点を強調しています。第一に、子どもはピアジェらの理論にあるように行動が制限されていても、他の経験、とくに読書が障害の代償手段となり得る。第二に、本は乳幼児の言語発達を促し、幼い魂と外界との幸せな関係を築く力をもつ。けれども幼い子は自分で本を手にできないため、本にふれさせてくれる大人が絶対に必要であり、大人は子どもと本をつなぐ輪でなくてはならないということです。

Posted byブクログ

2020/01/11

児童文学翻訳者の百々佑利子さんがニュージーランドで児童書専門店を経営しているバトラーさんに出会い,本書を日本に紹介することになったという奇跡. バトラーさんの孫であるクシュラ.手指の奇形,黄疸,泣く,寝ない,聴覚も視覚も怪しく外界と遮断された状態.コミュニケーションを取ること,...

児童文学翻訳者の百々佑利子さんがニュージーランドで児童書専門店を経営しているバトラーさんに出会い,本書を日本に紹介することになったという奇跡. バトラーさんの孫であるクシュラ.手指の奇形,黄疸,泣く,寝ない,聴覚も視覚も怪しく外界と遮断された状態.コミュニケーションを取ること,成長することはほぼ望めないと思われた状況.それでも,「専門家の意見にも屈せず、強行で思いやりに満ちた決断をいくたびとなく下した」(巻末の推薦の言葉より)様子が描かれている. 元々,絆が強く絵本好きな家族.自分たちの気分を紛らすためにも「絵本の読み聞かせ」をしながら子育てをする.どういう事に反応を示すか/示さないか,コミュニケーションの質・語彙など,クシュラの反応をしっかりと観察しながら,当初は無理だと思われた成長を記録に留め,「教育学の論文(卒論?)」として発達理論を元にクシュラの成長を分析している.

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2018/04/19

ニュージーランドに重い障害を持って生まれたクシュラ。両親が愛とともに与えた数々の絵本が、彼女の奇跡的な成長を助ける。クシュラの祖母である著者がまとめた研究論文をもとに構成。カラーページで絵本の中身も紹介され、良書を選ぶ際にも使えそう。

Posted byブクログ

2017/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

絵本の真の力を見た気がしました。 たかが絵本されど絵本。 クシュラに絵本がなかったら、、と思うとぞっとさえ思えます。

Posted byブクログ

2016/08/05

読み聞かせをし続ける事で、子どもの言語能力アップやプラスに働く事の多さ、読み聞かせの大切さを、生れながらにして障害がたくさんあったクシュラから学ぶ事が出来た。 たくさんの障害がある中、家族や親戚周りの人たちの暖かさを補助が当たり前にそこにある事も素晴らしかった。 クシュラが幼児...

読み聞かせをし続ける事で、子どもの言語能力アップやプラスに働く事の多さ、読み聞かせの大切さを、生れながらにして障害がたくさんあったクシュラから学ぶ事が出来た。 たくさんの障害がある中、家族や親戚周りの人たちの暖かさを補助が当たり前にそこにある事も素晴らしかった。 クシュラが幼児期に読んだたくさんの絵本、早速借りてみようと思った。

Posted byブクログ

2016/04/07

最後の最後で、著者がおばあさまだったことを知り衝撃を受ける。 そうだったのか。だからだったのか、この学術的ながら暖かい愛情を感じる文章は。 クシュラの絵本により育まれた豊かな感性と、ご両親の並々ならぬ根気強さ・努力・愛情に脱帽するばかり。 自分に障害をもつ子どもが生まれたら、な...

最後の最後で、著者がおばあさまだったことを知り衝撃を受ける。 そうだったのか。だからだったのか、この学術的ながら暖かい愛情を感じる文章は。 クシュラの絵本により育まれた豊かな感性と、ご両親の並々ならぬ根気強さ・努力・愛情に脱帽するばかり。 自分に障害をもつ子どもが生まれたら、なかなかこんなふうには出来ないと思う。 本当にどん底にいる親たちにこそ読んでもらいたい本だけど、子どもの障害に向き合ってこれを手に取る覚悟を決めるには、大層勇気が要るだろうな。 この、読みやすくも大衆的でもない本が読み継がれ、普及版が出たということが素晴らしい。 願わくば、少しでも多く、本当に必要なひとたちにこの本が届きますように。

Posted byブクログ