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裏社会の日本史 の商品レビュー

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2014/08/13

 本書は、「裏日本の」とあるように、日本のやくざと貧苦の人々についての書である。前半では「穢多(えた)・非人(ひにん)」をはじめとする社会の底辺および周縁部へと追いやられた人々(被差別民)の歴史を掘り起こし、後半はやくざの社会的出自からその意味、役割の変遷をたどっていく。  筆者...

 本書は、「裏日本の」とあるように、日本のやくざと貧苦の人々についての書である。前半では「穢多(えた)・非人(ひにん)」をはじめとする社会の底辺および周縁部へと追いやられた人々(被差別民)の歴史を掘り起こし、後半はやくざの社会的出自からその意味、役割の変遷をたどっていく。  筆者がとりわけ関心を寄せるのは後半に取り上げるやくざで、「(彼らは)日本の歴史の諸相と緊密に結びついて」おり、「四世紀にもおよぶ歴史と伝統が横たわっている」。また、やくざは「法に対して不服従であるにも関わらず」社会との継続的な接触を持ち続け、「政界の一部や実業界と結びつき、権力の隠然たる要素の1つともなっている」。こうした多義性は『ル・モンド』紙(フランスのクオリティ・ペーパー)の海外特派員だった著者を強く惹きつけ、その情熱は、本国でこのような大著を出版するまでとなった。  ここにも、我々が知らない、知ろうとしない歴史がある。

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2009/10/04

社会秩序のネガとして貧困と犯罪と差別偏見で「周辺化」される非定住者達を、非社会化して流動するままに散り物いわず秘そむ下層貧窮者(河原者・漂泊民/部落民/ドヤ・路上生活者)の拒絶と、反社会化で権力を誇示し社会と取引きしながら団結抗争してくヤクザ(博徒・暴力団/テキヤ・経済舎弟/チン...

社会秩序のネガとして貧困と犯罪と差別偏見で「周辺化」される非定住者達を、非社会化して流動するままに散り物いわず秘そむ下層貧窮者(河原者・漂泊民/部落民/ドヤ・路上生活者)の拒絶と、反社会化で権力を誇示し社会と取引きしながら団結抗争してくヤクザ(博徒・暴力団/テキヤ・経済舎弟/チンピラ)の求愛という、国民国家への2タイプの中世から現代迄の通史。

Posted byブクログ