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国銅(下) の商品レビュー

4.3

27件のお客様レビュー

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2024/04/17

広国 国人 『国銅』  主人公と本の題名が読み進むにつれて どうしてそういう名を付けたのかが繋がりました。 漢詩において、おそらくこうだろうなと拡がる風景心情など、余韻に浸る素晴らしさを実感しました。漢詩 本当に良いですね。  色んな場面で考えてさせられる優れた本です。

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2023/11/12

蟻の如く働くこと十年。繰り返しの過酷な毎日でも、国人は仏の教えとわずかな言葉を頼りに必死に生きた。そして遂に大仏は完成したが…。無名の者たちの深き歓びと痛切なる哀しみを描く大平ロマン、万感のラストシーン。

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2022/02/11

東大寺の大仏を作るのにどれだけの人々の苦労があったのだろう。その一人がいた、いやいなかったかもしれないが、大きな建造物を作り上げるための限りないほどの労力は今でも変わりはないのかもしれないと思った。故郷の景信和尚と絹女を思いながら都の作業、生活に打ち込む国人の潔さ、清々しい姿が心...

東大寺の大仏を作るのにどれだけの人々の苦労があったのだろう。その一人がいた、いやいなかったかもしれないが、大きな建造物を作り上げるための限りないほどの労力は今でも変わりはないのかもしれないと思った。故郷の景信和尚と絹女を思いながら都の作業、生活に打ち込む国人の潔さ、清々しい姿が心に染みた。

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2020/08/17

なんか史料館か博物館を見学した気分。とてもみっしり丁寧に当時の様子が描きこまれていて読み応えあり。でも大きな舞台のわりに主人公の心の波が小さくていまいち共感できず…

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2018/05/05

国人と一緒に成し遂げた達成感!読了後に感じた率直な気持ちだ。東大寺大仏建立に際して全国各地から集めらた多くの人足達の物語。働くことが税務であった時代のその活動の辛い物語が、淡々とした筆致で進んでいく。しかしそこには大仏を造り上げていくという偉業とは別にささやかではあるが繰り広げら...

国人と一緒に成し遂げた達成感!読了後に感じた率直な気持ちだ。東大寺大仏建立に際して全国各地から集めらた多くの人足達の物語。働くことが税務であった時代のその活動の辛い物語が、淡々とした筆致で進んでいく。しかしそこには大仏を造り上げていくという偉業とは別にささやかではあるが繰り広げられていく人間模様が細やかに表現されている。そして、銅造りから大仏造立、開眼供養、そして帰国までの苦労が、淡々とではあるが確実に熱気を帯びていき、たった独りになってしまったあと無事に故郷に辿り着けるのかはらはらした感じはどこから生まれてくるのか。 辿り着いた故郷も出立して5年も経てば、やはりいろいろ変化はあり期待していた世界とは違っているが、それでも何故か国人と一緒に感じる達成感に静かに浸ってしまったのだ。 現代とは比べ物にならないような人力の苦労に加え、それでも薬草摘みや仏道に関する考え方、仲間たちとの交流、そして詩歌を含めた文字への想いといった国人自身の成長にいつのまにか入り込んでしまっていた。それが帚木の魅力というかパワーなんだと思う。これまで読み進めてきた『ヒトラーの防具』や『聖杯の暗号』に連なる人知れず積み上げられた歴史の物語にまたはまってしまったようだ。

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2017/09/18

若者の成長物語なのだがなんとも切ない。奈良時代を描いた作品といえば、「天平の甍」が思い出されるが、通じるものがある。人間的な深みとか、様々なタイプの人間を描いているという点では、やはり井上靖の方に軍配があがるが、奈良時代を描くという点では、本作品も調べが行き届いている感じがした。...

若者の成長物語なのだがなんとも切ない。奈良時代を描いた作品といえば、「天平の甍」が思い出されるが、通じるものがある。人間的な深みとか、様々なタイプの人間を描いているという点では、やはり井上靖の方に軍配があがるが、奈良時代を描くという点では、本作品も調べが行き届いている感じがした。 帚木さんの作品は初めてだが、様々なタイプの物があるようなのでまた読みたい。

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2016/11/27

久々にヒット! 地味な主人公だけど、奈良時代の話が克明に描かれていてその時代が目に浮かんでくるようだ。 箒木篷生って知らなかったけど、他の本も是非読んでみたい。

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2016/06/11

東大寺盧舎那仏坐像造立に関わった仕丁の人生物語。「感動した!」・・・。行き切るとは如何なることか、自らの自堕落な生活が情けない。合掌?

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2018/10/14

いつか読みたいと思っていた。 オーソドックスな歴史小説だと思うが、奈良時代の使役の様子を再現するというのは、作家の想像力というのは凄いものだ。生きていくことが、諸国を移動することがとてつもなく困難で危険であった時代、丁寧に丁寧に日々を生きることが、なにより大事であったのだろう。そ...

いつか読みたいと思っていた。 オーソドックスな歴史小説だと思うが、奈良時代の使役の様子を再現するというのは、作家の想像力というのは凄いものだ。生きていくことが、諸国を移動することがとてつもなく困難で危険であった時代、丁寧に丁寧に日々を生きることが、なにより大事であったのだろう。そういう感慨で胸が包まれる。

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2014/05/04

(上下巻通じての感想です) 奈良の大仏を作る物語ですが、時の権力者や僧侶の側からではなく、作業に直接携わる人足の側から書いています。大仏の材料となる銅鉱石の掘り出しから始まって、精錬し、地方から都へ舟で運び、大仏の製造鋳込みを行います。その作業過程の描写や働く人足たちの気持ちの記...

(上下巻通じての感想です) 奈良の大仏を作る物語ですが、時の権力者や僧侶の側からではなく、作業に直接携わる人足の側から書いています。大仏の材料となる銅鉱石の掘り出しから始まって、精錬し、地方から都へ舟で運び、大仏の製造鋳込みを行います。その作業過程の描写や働く人足たちの気持ちの記述は素晴らしかったです。 ただ、ちょっと残念だったのは主人公があまりにも体力的、知的、人物的に優れていたことでした。もっと庶民の姿で書いてあれば良かったのにと思いました。

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