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2017/01/14
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2006年に逝去した著者(元一橋大学学長)が残した最後の著作。内容は、外交・構造改革・年金制度改革・IT革命の光と影・労働観など多岐に渡る。このうち、本書における著者の外交観は、中国・北朝鮮を善と見すぎであり、俄かには賛成しかねる。ただし、日米平和友好条約の締結を目指すという方向性には興味をそそられる。第2に、著者の小泉改革批判は正鵠を得たものだが、既得権打破に要する政治的エネルギーを甘く見積もりすぎていて、小泉改革すらできない状況に対する目配せが不十分。なお、造語も多く、付論など意味が採りにくい所あり。 他方、新自由主義の不都合の修正につき、いわゆるデギンズの「第三の道」論を基にすれば、福祉をリスクの共同管理と見直し、社会の活力源としての役割を福祉に求めると本書にはある。が、抽象的すぎて内実が不明で、隔靴掻痒である(ただし、期待できる考えかもしれない。)。

Posted byブクログ