北朝鮮の子供たち の商品レビュー
北朝鮮の実体、壮絶さ…
北朝鮮の実体、壮絶さがリアルに描かれた、脱北者の少年による証言。子供たちが最前列で見守る中で行われる公開処刑の様子には、背筋がぞっとする。極貧、飢え、徹底した金親子崇拝、子供たちへの体罰、厳しい情報統制、相互告発、強制収容、頻繁な処刑。生き地獄のような社会だ。情景を見ているような...
北朝鮮の実体、壮絶さがリアルに描かれた、脱北者の少年による証言。子供たちが最前列で見守る中で行われる公開処刑の様子には、背筋がぞっとする。極貧、飢え、徹底した金親子崇拝、子供たちへの体罰、厳しい情報統制、相互告発、強制収容、頻繁な処刑。生き地獄のような社会だ。情景を見ているような気にさせるほど、リアルな証言だ。
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祖父母は日本からの帰…
祖父母は日本からの帰国者で、少年は楽園に憧れていた。脱北して韓国へ来た少年の苦悩を描く。
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2005年出版。 「著者」は1986年生まれで1998年に脱北(2002年韓国入国)した「帰国者」の孫である。フランス人ジャーナリストが彼から話を聞き取り、構成したものだという。 「著者」は帰国者の家族であったため、北朝鮮では「大金持ち」とされる家庭で育つ。高額な贈り物を幾度も...
2005年出版。 「著者」は1986年生まれで1998年に脱北(2002年韓国入国)した「帰国者」の孫である。フランス人ジャーナリストが彼から話を聞き取り、構成したものだという。 「著者」は帰国者の家族であったため、北朝鮮では「大金持ち」とされる家庭で育つ。高額な贈り物を幾度も金日成に贈り、ともに記念写真を撮ったことのある親族を持っているが、「成分」は悪く社会的には不安定な立場だった。 「著者」自身は学校で習う金日成への信仰心を強く持っており、公開処刑などを目撃しつつもそれを普通のこととして受け入れて暮らしている。しかし、「苦難の行軍」が始まって次第に街には餓死者が溢れ、「著者」の家でもまともなものが食べられなくなっていく。 気性の荒い父親は長く炭鉱で肉体労働に従事していたが、年をとって職場を変えてくれるよう頼む。しかし、「帰国者の家族」という「成分」を持つためそれを聞き入れてはもらえなかった。反発した父親は脱北して中国に行き働くが、苦労して買い貯めたものを持って北朝鮮に戻った際、保安機関にすべて奪われてしまう。そして「管理所」でひどい生活を体験し、家族に対して脱北を説得したのだった。 北朝鮮の1少年が見たり聞いたりした生々しい生活が垣間見れるのが興味深い。 中国からの観光客の服装や、韓国の映像をテレビで見て、自分たちよりも豊かそうだという感覚は持っても、外国の方が北朝鮮よりも豊かだということには思い至らない、という不思議な点は、他の脱北者とも共通する。 そして中国や韓国で生活して初めてわかったのが、自分たちの知識、常識が全てまるごと虚像だった、ということ。それを知って激しい屈辱と強い怒りを感じたという場面だ。自分の知識すべてが役に立たない嘘だった、と知った時、人はどうやって生きていけばいいのだろうか、ということを考えてしまう。
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北朝鮮の子どもたちについて知りたくて読書。 祖父母が帰国者なので、階級的(出身成分)には低い層として生まれた著者の北朝鮮での回想録。90年代と比較的に新しい話。これも現実だと思う。比較の法則が働き中国がいい国に思えてしまうのが実に不思議…。 現在、脱北のルートはラオスからタイ...
北朝鮮の子どもたちについて知りたくて読書。 祖父母が帰国者なので、階級的(出身成分)には低い層として生まれた著者の北朝鮮での回想録。90年代と比較的に新しい話。これも現実だと思う。比較の法則が働き中国がいい国に思えてしまうのが実に不思議…。 現在、脱北のルートはラオスからタイへ入国、そして、韓国へとなっているらしい。脱北後の各周辺国の対応も実に無慈悲だと思った。 かわいそうと一言で表現するのは実に簡単だ。しかし、開放しろ、政治体制を変えろ、自由を与えろと考えるのは、先進国の価値観の押し付けなのではないだろうかとも思ってしまう。 確かに餓死は人道的に大いに問題がある。ので事実であれば、支援するべきだと思う。一方で、階級制となっているのは、韓国でも中国にも存在するもので、日本だけが日常生活嬢あまり感じないのが事実ではなかろうか。北朝鮮と他国との違いは餓死しないくらいなのか…。 読書時間:約1時間 本書は知人からいただいています。有り難うございます。
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