砂漠の王は龍を抱く の商品レビュー

愁堂れな(著者)

暴力団組員氷室は、花…

[文庫ＯＦＦ]

暴力団組員氷室は、花火大会の日に、抗争事件で肩を打たれ、日本に花火見物に来ていたアラブの王族ユリウスに助けられる。氷室の背中に彫られた昇竜の刺青に興味を持ったユリウスは、義兄弟を助けに出て行こうとする氷室を自分の元に留めようと止める。／舞台は１００％日本なので、熱砂の国を堪能したい方には、ちょっと物足りないかも。しかし、受が暴力団で、攻がアラブの王子という異色の組み合わせは、けっこう面白いです。舞台は日本ですが、アラブ王族の有り余る財産故の破天荒な行動は健在です。

2009/10/04

ユリウスが家族との確執や父の死でしんみりとさせたり、氷室が神谷にユリウスの金目当てに誘拐されると機動隊を出動させたり…と、静と動が織り混ぜられた話で、読みやすかったし一気に読んでしまいました。

父親の死だとか、恋人の裏切りだとか。お互い辛い目に遭っているのですが、表だって慰めるではなく、いたわり合うような、穏やかさの中で愛を育んでいくというのか。
すごく派手な設定ではありましたが、ほのぼのとした雰囲気があったのではないかと思います。