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部落差別はなくなったか? の商品レビュー

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2010/01/11

本文を読み終わり、あとがきの「部落問題は封建的被差別身分の問題ではない。差別一般と本質はおなじである。」という短い一文に到って、自分の部落問題に対する理解が小・中学生のころから一歩も進んでいないなことに気付き、改めて愕然とした。自分もまた見ないようにしていたんだな、と。 本書に...

本文を読み終わり、あとがきの「部落問題は封建的被差別身分の問題ではない。差別一般と本質はおなじである。」という短い一文に到って、自分の部落問題に対する理解が小・中学生のころから一歩も進んでいないなことに気付き、改めて愕然とした。自分もまた見ないようにしていたんだな、と。 本書にも再三あるように、部落問題が「みえにくく」なっている。メディアが部落問題を避けている、そのことによって部落問題が無くなったかのようになっている、という著者の意見は、確かにその通りだと思う。 メディアへの露出を考えたときに、派遣労働の問題が頭に浮かんだ。派遣労働の問題は、大きな社会問題になってきていたとは言え、やはりメディアへの露出を通して問題が広く一般に認知され、解決に向けてのさまざまな取り組みが行われてきているように思う。 メディアへの露出が必ずしも良いこととは思わない(必ず何らかのバイアスが掛かっていることを前提に見ないといけない)が、報道されないことで問題が無くなったかのように、問題の存在を知らない人々が錯覚してしまうことの方が、より重大な問題であることは間違いないだろう。 自分に出来ることはまずは知ること、できればよく知ることだ。差別の問題に限らず、世の中にはさまざまな問題がある。読書を通してつくづくそう思う。

Posted byブクログ