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少年少女の仏教 の商品レビュー

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2010/03/06

これは、お坊さんが少年少女のために分かりやすく仏教を説いた本。 高校3年の時に読んで、おもしろくてずっと借りっぱなしだった。 納得させられる素晴らしいお話ばかりだが、中でも”ほとけさまのことば”という部分が好きだった。これは金沢のあるお寺の坊守さん(住職の奥さん)が書かれたもの...

これは、お坊さんが少年少女のために分かりやすく仏教を説いた本。 高校3年の時に読んで、おもしろくてずっと借りっぱなしだった。 納得させられる素晴らしいお話ばかりだが、中でも”ほとけさまのことば”という部分が好きだった。これは金沢のあるお寺の坊守さん(住職の奥さん)が書かれたものらしい。『おまえはおまえでちょうどいい』というその文章に、当時どれだけ救われ、癒され、温められたか。 お前はお前でちょうどよい 顔も身体も名前も姓も それはお前にちょうどよい 貧も富も親も子も 息子の嫁もその孫も それはお前にちょうどよい 幸も不幸も喜びも 悲しみさえもちょうどよい 歩いたお前の人生は 悪くもなければ良くもない お前にとってちょうどよい 地獄へ行こうと 極楽へ行こうと 行ったところがちょうどよい うぬぼれる要もなく 卑下する要もない 上もなければ下もない 死ぬ日月さえもちょうどよい ほとけ様と二人づれの人生 ちょうどよくないはずがない これで良かったと戴けた時 億念の信が生まれます すばらしいでしょ。 それから、仏教の根本的立場ともいえるお釈迦様の教え、”中道”-この理念がまた本当にすばらしくて。 簡単に言うと、”両極端を離れることによって得られる、かたよっていない中正の道”ということ。 現在のめぐは、この考えのもと生きてます。 こんな話も。 思い通りにならないことがありがたいという思想-結婚式でこんなスピーチをした人がいたそうな。号泣もんですよ。 『ご結婚おめでとうございます。結婚というものは、良いもんですよ。人として生まれて、やっぱり結婚しなきゃいかん。結婚は良いもんである。どうして良いかというと、自分の思い通りにならない人がいつもそばにいてくれて、そして人間になっていくからです。』 ”どうして良いかというと、自分の思い通りにならない人がいつもそばにいてくれて、そして人間になっていくからです。” 今でもたまにこの本を手に取ると、ゆっくり、ゆっくり、体中をきれいな血が循環してくれる気がする。つま先から頭のてっぺんまで、大地や天を感じて、そしてすがすがしい優しい空気が通り抜けていくような気がする。 青春時代に偶然見つけた、これからもずっと大切にしたい本です。

Posted byブクログ