白骨花図鑑 の商品レビュー
短編集。どの物語にもモチーフとしての花が活かされている。特別おもしろいというわけではないんだけれど、シーンに出てくる花の印象が残る。
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自分が死んだら骨の間から草花を生やし覆わせるための設計図を描いている妙齢の女-表題-を始めとする、随所に花が出てくる4編。 淡々としていながらじっとりと纏わりつかれるような重苦しい気分になる。「白骨花図鑑」は正に息を潜めて読みたくなるし、「怖ろしいあの夏の私」は悪い結末しか見え...
自分が死んだら骨の間から草花を生やし覆わせるための設計図を描いている妙齢の女-表題-を始めとする、随所に花が出てくる4編。 淡々としていながらじっとりと纏わりつかれるような重苦しい気分になる。「白骨花図鑑」は正に息を潜めて読みたくなるし、「怖ろしいあの夏の私」は悪い結末しか見えてこない。 全体を通してよく分からないが、ぼんやりとした不安感が残る。
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文章にあまり意志を感じないというか、匂いがないというか…そのくせ、なんとなく嫌な気分になる話です。すぐによめる文量ですが、あまりオススメはしないです。
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長く入院している1人の老婦人。彼女はとても美しい想像をする。 死んでしまった自分の肉体を、様々な花の種を敷き詰めるようにして植えた山の上に横たえる。いつか種は花を咲かせ、彼女の白骨は美しい花々に囲まれる。そんな想像を。 そして彼女は、花図鑑を完成させる。頸椎には水色の首飾りのよう...
長く入院している1人の老婦人。彼女はとても美しい想像をする。 死んでしまった自分の肉体を、様々な花の種を敷き詰めるようにして植えた山の上に横たえる。いつか種は花を咲かせ、彼女の白骨は美しい花々に囲まれる。そんな想像を。 そして彼女は、花図鑑を完成させる。頸椎には水色の首飾りのようにホタルカズラを、肋骨のあたりにはナンテンハギを、右膝には神経痛の薬になるトリカブトの根を。という風にして。 死というものを静かに受け入れている。だからこそ、美しい想像をする。 彼女は病室にいても自分らしさを貫いていて、同室の患者と仲良くしすぎないようにしたり、時には声を出して話すことをやめてみたりする。 他にも3つの短編が収録されているのだけど、すべてどこか奇妙で美しい。不穏さが残るようなラストは、少し悲しくもある。 全体的に、植物の印象が強く残る作品集だった。匂いたつような花、咲き乱れる花、そっとそこにある木々。 そこにエロティックさもあるのかもしれない。何かの暗喩にも、なっているのかも。 正気と狂気の狭間にいる人たちは、不思議ととても美しい。
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題名と表紙に惹かれて借りた本。 短編集。植物の描写が詳しくて、想像してみるのが楽しかった。ただ、終わりかたがすっきりしなくて、何となく置いていかれたような心持ちがした。
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入院生活の間、病室では喋らずに、白骨化した自分の体にそえる花を考える日々。 一定の静寂が保たれた世界で、草花だけが生き生きと白い骨を取り囲む様子。 メルヘンチックだわん。 実際は白骨になるまでに腐敗やら悪臭やら蛆やらで大変なことになりそうだけども。 短編集。おそろしいあの夏の私 は、言葉どおりなんか残酷で怖い。ていうかほぼなんか残酷で怖い。 けど、あの夏の花の赤 は、ちょっといいかも)^o^(
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なかなか読まない世代の作者だなぁと。 作品の紹介 あの愛しい花々に囲まれて、私は白い骨になる。古都の四季の移ろいの中、人生の儚さ、愛と憎しみ、憧れにも似た死の迎え方を鮮烈なまでに美しく描く、衝撃の小説集。鎌倉の自然と暮らしを綴る名エッセイスト、待望の第二作。
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愛情や信頼を法律の権利とか義務とかいう言葉でしか守れないなんて情けないじゃないですか。他の女の人としたって、そのことはたいしたことだとは思ってなかったんです。でも、自分たちの大切なものが、法律の下に置かれるなんて、それこそ許せないじゃないですか 「許せない、とはなんて傲慢なこ...
愛情や信頼を法律の権利とか義務とかいう言葉でしか守れないなんて情けないじゃないですか。他の女の人としたって、そのことはたいしたことだとは思ってなかったんです。でも、自分たちの大切なものが、法律の下に置かれるなんて、それこそ許せないじゃないですか 「許せない、とはなんて傲慢なことをいうの」と苦々しくいった。「神のように人を裁くつもりなの、その思い上がりが災いのもとなんだよ」 いく度も引越しをし、物を持つことの嫌いな安井が古いリンゴ箱の底にこのスケッチブックを残しておいたのはなぜだろう。 「蓮の花って面白いんですよ。蕾が開く時に発熱するんです。本当に温度計を入れて測った人がいるんですけど、四十度近く熱があったそうですよ」 この樹が地中に「根を張って立っているように、人間は過ぎていく時間の中に記憶の根を張って生きている。知りたい、と思うのは、正しく呼吸をしたいと願うようなものだ。
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何となくタイトルに惹かれて読んでみました。老齢の女性が自分の白骨化した遺体に様々な草花が絡む光景を夢想する…。どこか醜悪にもなりそうな光景が、幻想的に理性的に描かれています。少女のように花を選びながら、白みがかった葉は老いを意味するようで嫌だという感性は、とても女性的な現実と空想...
何となくタイトルに惹かれて読んでみました。老齢の女性が自分の白骨化した遺体に様々な草花が絡む光景を夢想する…。どこか醜悪にもなりそうな光景が、幻想的に理性的に描かれています。少女のように花を選びながら、白みがかった葉は老いを意味するようで嫌だという感性は、とても女性的な現実と空想の折り合いに思いました。(2008.10.12読了)
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妙齢の女性の、落ち着いた好奇心とか、人間関係とか、そういった物が計算された上で素直に書かれてて良いのではないかと。
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