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愛でもない青春でもない旅立たない の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2009/10/04

「天使いる?」「うん、すごいみてる、こっちみてる」 世界の舞台裏を、我発見せり!という感覚だ。いや、やっぱりそんな、せり!っていうほどではないな。 我発見しちゃったみたいな。

Posted byブクログ

2009/10/07

 本書もまた心に響く描写多し。「山本が薄い知識を精一杯伸ばしてさらに薄くする。」、「僕は一見何に対してもクールであるが実は博識でかといってそれをひけらかす様なマネはしない男としてキャンパスを生き抜いているので、その辺の人物像を崩さないようにしゃべらないといけないのだ。」、「日曜日...

 本書もまた心に響く描写多し。「山本が薄い知識を精一杯伸ばしてさらに薄くする。」、「僕は一見何に対してもクールであるが実は博識でかといってそれをひけらかす様なマネはしない男としてキャンパスを生き抜いているので、その辺の人物像を崩さないようにしゃべらないといけないのだ。」、「日曜日の山手線はすいていた。カップルと、カップルと、不細工なカップルと、中学生か高校生の女の子たちが買い物の途中という感じの車内。」、「つまりなんと言うか、自分が伸びる事で高い視点を得るのではなく周りを掘り下げる事によって自身が高い位置にいるような錯覚を得るというか、」、「僕はお子様で、機嫌が悪い事を相手にわからせないと気が済まないという、どうしようもない性癖がある。」、「仲良くなっちゃうともう仲間というか家族みたいな感じになってしまい、例えばパンツが見えても嬉しくなくなる。」、「私がこう思うからこうする、というより、あの人達がこうしてほしそうだからこうする。みたいな。」、「あすこあんなだったっけ?」、「こうすれば二人は何かを共有できるのではないか。淡い、期待とも呼べないような期待。」、「俺は駄目だ、と自分を責める事で僕自身は救われるから、始末に負えない。」、「僕にとって地獄は現実的でなく、地獄に落ちたくないからって性格を改める事もできない。」、「その時その時の判断だけで生きる。」、「僕はどんどん自分が嫌になり、よし良い感じで罰せてるぞと、心の奥底でほくそえむ。要するにどこにどう行こうが結局自分自身の快に僕の全ては結びついているというわけだ。」、「なんだかんだ理屈をつけて自分の楽なほうへと流れていく。」、「油断が取り返しのつかない事態を引き起こした事に、気付く時はだいたいもう取り返しのつかない事態になっている。」、「僕は変わる。僕を貫いている確固たるものはなんだ。刹那刹那の僕を数珠のようにつなぐ糸はなんだ。記憶だろうか。人格なんてものが便宜上の言葉に過ぎないことはとうの昔に知っている。僕は目の前にあるものを感知してそれを信じる、経験を記憶に変えて蓄積していく、記憶を共有してるから昨日の僕と今日の僕は同じ人間でいられるのだろうか。」、「清潔で落ち着ける場所だと思っていた部屋のじゅうたんをめくって見たら裏にびっしり小さな虫がいたような、それまで何も気付かずに暮らしていただけで、この世界のじゅうたんの下にはびっしり小さな虫がいて、それを知る前も知った後も状況にはなんら変化がないのに、世界は不気味に変わってしまったように思える。僕の目の前にある世界は何一つ変わっていないのに。僕の世界はすっかり様変わりしてしまった。」、「虚ろな表情を作って近所を徘徊してみても誰もそれを見てくれないんじゃしょうがないや。」、「庭を歩きながら不思議な気がした。それは例えば僕の両親にも、恋をした経験がきっとあり、僕の知らない友達がいて、僕の知らない歌が好きで、僕の知らない悩みを抱えていた、そういうことを考えるととても不思議な気持ちになるが、この庭を歩くと僕はそんな気持ちになった。」などなど。

Posted byブクログ