君が誰の隣りにいても の商品レビュー
江戸友禅作家・日比野…
江戸友禅作家・日比野佑一の前に、偶然6年前に別れた恋人・久生暁也が現れて・・・シリーズ一作目。佑一が6年前別れを切り出した経緯、その後も暁也をずっと忘れられないでいるのが、とても切ないです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
江戸友禅の新鋭作家・日比野佑一には苦い過去があった。 六年前、佑一は高校に勤める美術教師だった。 ところがある日、新入生である少年に熱心に口説かれ、男同士である上に、先生と生徒という関係ながら付き合い始めることになったのだが、そのことが彼の母親にばれ、佑一は彼の将来のため「結婚して子どもを作りたい」という嘘をつき、別れたのだった。 別れて六年が過ぎても、佑一は彼のことを忘れられずにいた。 ところが、その彼・久生暁也が、偶然、佑一の工房を訪ねてくる。 佑一に着物を作ってもらいたいという水商売の女性を伴ってやってきた暁也は、佑一に対して恨みの目を向ける。 以後、暁也は佑一の下へと通い始め、ついには家に居座ってしまう。 暁也は意外なことに料理がうまく、また佑一の子どもでもある晃の面倒もよく見てくれていて、同居する相手としては申し分なかったけれど、暁也に気持ちがある佑一にとってはちょっとした暁也の行動が気になって仕方なく、また暁也も傷つけられた苛立ちを佑一へとぶつけてくる。 佑一はこれは自分に対する罪のつぐないなんだ、と考えて暁也の行動に耐えるけれど―― という話でした。 佑一は本当は暁也のことを大好きだったけれど、彼の将来を思って別れることを選択する。 けれど、その後の暁也は佑一が考えた以上に荒れ果てた日々を過ごし、再び佑一の前に現れた時には、ホストとして退廃的な雰囲気と抑えきれない苛立ちを漂わせていた。 佑一はそれに胸を痛めるけれど、自身もまだ暁也に思いを残したままで、とてもじゃないけれどそんな暁也の気持ちを思いやってやれる余裕もなく、また、佑一は暁也が自分と別れたほうが幸せだ、と思っていたため、自分の気持ちを告げるつもりもなかった。 けれど、暁也は佑一の傍にいて、少しずつ今の佑一を知るたびに、ひどい振られ方をして怒っていた気持ちが少しずつ融けていって…… という感じの話でした。 ひどい別れ方をしたカップルが、再会して付き合うまでの話がセンチメンタルに描かれています。 こんなにもこんなにも離れていても想いあえることなんてそんなにないと思うから、もう少し、どっちかがさっさと折れたらよかったのになー……と思うけれど。 佑一は暁也は自分の隣にいない方が幸せだと思ってるし。 暁也は佑一の気持ちがわかってないから、言うにいえなかったのかもしれいないですね。 なんにせよ、センチメンタルなお話が好きな方にはオススメします。
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年下攻めで極端なほどに一途なクセにすっかりひねくれちゃっているところがなかなか良い。子どもの話のくだりがやや重いですけど。
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