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書林探訪 の商品レビュー

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2023/09/23

 1990年代後半から2000年代前半にかけて書かれた随筆集。著者が所蔵する古書の中から一冊を選び出し、書影とともに、その本から現代のわたしたちが学べることをわかりやすく教えてくれる。近年の出版社や書店の動向に対する鋭い批判も所々に顔を出す。久しぶりに神保町に行きたくなった。

Posted byブクログ

2014/07/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

古書を訪ね、古書に尋ねる。古書は、記憶装置である。封じ込められた“過去”をほりおこし、それを“現代”に照らし返すと、驚くほど立体的な知識や情報を得ることができる。本の町・神保町に足を踏み入れて50余年、古書探しの達人であり、古書読みの名人である著者による、実践的・古書の愉しみ方入門。(2005年刊) ・まえがき ・古本屋探偵、神田に現る ・書窓漫録 ・書林探訪 ・あとがき 著者の紀田順一郎は、書物論、情報論、近代史などを専門として評論活動を行うほか、小説など創作も手がけている。(松籟社ホームページより) 古本屋探偵ものの古書ミステリーなどで馴染みが深い。 「古本屋探偵、神田に現る」にはニヤリとさせられる。 「書窓漫録」と「書林探訪」は、古書にまつわるエッセイである。著者の知識の広さ(関心の幅の広さ)には脱帽であるが、興味の対象が偏る身としては、いささか読むのに骨が折れた。 以下、特に興味深かったもの 「秋葉原の記録魔」 藤岡屋日記の話。江戸府内絵本風俗往来の中に藤岡屋由藏のスケッチがあるという。、 「ああ、忍ぶべし忍ぶべし」 幕末の米総領事ハリスと下田奉行 中村時万との交渉のエピソード。激高したハリスは青銅の火入れを日本側に投げつけ、一行がいっせいにさやを払おうとするのを、奉行が抜くな抜くなと必死に手まねで制したので、危うく事なきを得た。あとで休憩室に下がった奉行は、「さぞかし弱い士だと思ったろうな」と話しかけ、ひとりごとのように「嗚呼忍ぶべし忍ぶべし」と嘆声を発したという下岡蓮杖の回顧。

Posted byブクログ