死に魅入られた人びと の商品レビュー
信仰には人を犠牲者にも加害者にもする力がある。 スターリン信仰は大日本帝国の天皇への信仰に似ている。そういえば第二次世界大戦終戦後に、皇居前で自殺する人が続出したとか聞いたことがあるような。あれは何を動機とした自殺だったんだろう。 共産主義の全体主義社会より、資本主義の民主主...
信仰には人を犠牲者にも加害者にもする力がある。 スターリン信仰は大日本帝国の天皇への信仰に似ている。そういえば第二次世界大戦終戦後に、皇居前で自殺する人が続出したとか聞いたことがあるような。あれは何を動機とした自殺だったんだろう。 共産主義の全体主義社会より、資本主義の民主主義社会のほうがはるかに良い。 究極のところ、どちらにしろ人間は人間に過ぎない。 どうしてそこで生きているだけで深刻なトラウマを負うような社会システムを作ってしまったんだ?
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2015年 ノーベル文学賞受賞作家の作品集。 すべてソ連という体制崩壊の犠牲者の話だ。 理想が潰えたのではなく、理想を追わなくなった悲劇とでも言えようか。 個々人に罪はないのに、生きる縁(よすが)が失われてしまった。 なんとも暗い話ばかりであったがこれも現在の世界の諸相な...
2015年 ノーベル文学賞受賞作家の作品集。 すべてソ連という体制崩壊の犠牲者の話だ。 理想が潰えたのではなく、理想を追わなくなった悲劇とでも言えようか。 個々人に罪はないのに、生きる縁(よすが)が失われてしまった。 なんとも暗い話ばかりであったがこれも現在の世界の諸相なのだろう。
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「実は、私たちは戦争人間なのです。戦争をするか、 その準備をするかのどちらかで、ほかの生き方は一度も してきませんでした。」(P6) ソ連崩壊後、そんな人たちの精神はどうなったのか、社会主義に翻弄された17人の人生が本書には書き記されています。 ***************************************** 2022年4月19日再読 先に読んだ『セカンドハンドの時代』(2013年発行)と一部重複しているため、内容は頭に残っていましたが、受ける印象はかなり異なります。著者のことば「こわい。そう、私は自分のこの本が怖い。」(P5)とあるように、インタビューされる全員から感じるのは「個人的な恐怖」です。対して『セカンドハンドの時代』は人が生きている国そのものを感じました。 読みやすいのは本書です。『セカンドハンドの時代』は複数の人物のインタビューが交錯していてなかなか読み進められなかったです。
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ソ連が崩壊し、価値観の一変した思想の境界で、自殺に向かう人たちの記録・証言。実際に亡くなってしまった人は近親者が、失敗した人は本人が心情や状況を吐露している。それほど昔ではない時代においての貧困や内戦、あまりにも隔たりのあるジェネレーションギャップ。ただ要因のひとつにおいて、現在...
ソ連が崩壊し、価値観の一変した思想の境界で、自殺に向かう人たちの記録・証言。実際に亡くなってしまった人は近親者が、失敗した人は本人が心情や状況を吐露している。それほど昔ではない時代においての貧困や内戦、あまりにも隔たりのあるジェネレーションギャップ。ただ要因のひとつにおいて、現在の日本と通じるんじゃないかと思うところもあり、どこか他人事ではないような気持ちになりました。
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