集密書庫の情事。 の商品レビュー

棗キカ(著者)

2009/10/04

私の日参サイト様のデビュー作。イラストは妹君が担当しています（笑）
オフで初めて買ったJune小説。

2009/10/04

口絵のカラーイラストにしてやられました。色っぽい〜、うっとり…。
作者とイラストレーターは姉妹だとか。
姉妹で萌え〜出来て、いいですね。

集密とは、本棚の前後から本を入れたものに、ハンドルとローラーをつけていくつも並べ
必要なところに隙間を作って本が取れるようにした物だそうです。
集密書庫とは図書館の奥にあって、貸し出し禁止の貴重な本だとか
廃棄処分の決まった本だとか、図書館に並ぶ整理前の本だとかが収まっている集密が
いくつもある書庫のことなんです。

うふふ…古〜い紙のにおいだとか、薄暗〜い雰囲気だとかが
におってくる場所だと思いません？
そう、『逢い引き』にはぴったり（？）なところですよね？

受けちゃんは、大学のと所管内の情報メディアセンター勤務。
そこへ年下の司書の攻めさまが、やって来るわけです。
その図書館に勤務する４人が４人とも、なぜかゲイ。（１人は女性ですが）

攻めさまの「心を満たす恋愛」に対して
受けちゃんは「恋愛はしない。カラダだけ満たされればいい」と真逆な２人。
それはなぜか？
受けちゃんは初めての恋愛で傷ついて、それがトラウマになっちゃってたんですね。

そんなことは途中で語られないので、攻めさまととりあえず関係を持っちゃっても
「恋愛じゃない」と頑なになるんです。
それが何でだかわからないから、２人のやりとりは私には疑問だらけ。
受けちゃん視点なんですが、気持ちは攻めさま状態。
「何でだあ〜？」って感じ。

受けちゃんは、攻めさまの気持ちを拒否するんだけど、それはそれで辛い。
攻めさまは真剣に恋愛をしようとしていたから、とても辛い日々を送っているし。
２人して、切ない毎日を送ってるんですよ。

おまけに受けちゃんが、年下の高校生を思いっきり傷つけちゃったことに気がついて
ボロボロ泣いちゃうんです。自分のことと重ね合わせて。
でも、こっちにはトラウマのことはわからないから「？」でじれったくって。

２人は傷つけあっちゃって、もうボロボロ。
そんな２人の背中を押してやる女王様（女性司書）の存在がいいですね。
何もかもわかってて、何とかしてやろうと画策する姿。
ボーイズラブじゃあまり女性は登場しませんが、たまに出てくる気持ちのいいオンナ。
あこがれちゃいます。

受けちゃんが攻めさまにいろんな事を告白して、「ああ…」と納得。
やっと、受けちゃんの気持ちもわかって感情移入が出来ました。
それまでは、理由がわからなくて結構モヤモヤしてました。

大人の恋愛って感じで、雰囲気も好きでした。
イラストも、お気に入りです。