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理論と実践の統一 の商品レビュー

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2009/10/04

 仕事先でお世話になっている牧野先生の最新刊行本。  先生は、日本の哲学は哲学にあらずたんなる哲学史にすぎないと述べておられます。なるほど、自室にある哲学入門書を何冊かひもといてみるとすべて哲学者たちの系譜やらが編年順に並んでいるものがほとんど。  ドイツ哲学を(ほんとう...

 仕事先でお世話になっている牧野先生の最新刊行本。  先生は、日本の哲学は哲学にあらずたんなる哲学史にすぎないと述べておられます。なるほど、自室にある哲学入門書を何冊かひもといてみるとすべて哲学者たちの系譜やらが編年順に並んでいるものがほとんど。  ドイツ哲学を(ほんとうはあたりまえなのでしょうが)ドイツ語原典の読みから思索される先生の文章のところどころは、その方面に暗いわたしにはとても難解です。  しかし、この本では毛沢東の『実践論』がとりあげられており、奇妙な親しみを感じながら読みました。  毛沢東の諸論文については、これまでもっぱら政治的あるいは政治とかたく結びついた現代中国からのみ語られるのみでしたが、先生はこれを哲学の立場から詳細に解読なさっています。  理論と実践の理解のしかたについて、『実践論』では前半と後半では変わってしまっていることを指摘なされていますが、まさに慧眼。  先生は、中国の外文出版社が出版しているドイツ語版と日本での翻訳をもとに解読なさったそうですので、機会あれば、中国語原典と対照させてみてみたいとおもいます。

Posted byブクログ