イスラーム世界の創造 の商品レビュー
「イスラム世界というものは、実は存在しない。ヨーロッパ人が文化の優越性を示すために作りあげた近代の概念」 サイードのオリエンタリズムの方向であるけれど、イスラムに特定して実証しているのが面白い。サイードには、ヨーロッパとオスマン・トルコのような緊張関係にあった地域と、近代までヨ...
「イスラム世界というものは、実は存在しない。ヨーロッパ人が文化の優越性を示すために作りあげた近代の概念」 サイードのオリエンタリズムの方向であるけれど、イスラムに特定して実証しているのが面白い。サイードには、ヨーロッパとオスマン・トルコのような緊張関係にあった地域と、近代までヨーロッパと関係を有しなかった日本・中国等の極東を全て含めて同じオリエンタリズムの概念で説明しているという批判がある。その応答としても意義深い。 アメリカ・欧州・イスラエルが<幻想>のイスラム世界を軍事的に追いつめようとして、反発するイスラム原理主義者が文化的に、インターネットなどで連携して、逆に「イスラム世界」を形成するという現象がある。今はまだネット上の出来事であるけど、あるとき実態(軍事力)になるかもしれない、と思っていた矢先に、「アラブの春」が起きた。先読みしていたような作品。
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何となく理解しているようで,漠然とした感覚の語句である「イスラーム世界」を詳細に考察した好著だ.[1]理念としてのムスリム共同体,[2]イスラーム諸国会議機構,[3]ムスリムが多数を占める地域,[4]ムスリム支配者が統治し,イスラーム法が施行されている地域 の4つに定義している....
何となく理解しているようで,漠然とした感覚の語句である「イスラーム世界」を詳細に考察した好著だ.[1]理念としてのムスリム共同体,[2]イスラーム諸国会議機構,[3]ムスリムが多数を占める地域,[4]ムスリム支配者が統治し,イスラーム法が施行されている地域 の4つに定義している.それぞれを考察しているが,理解しやすい記述だ.「おわりに」に記載しているが,理系の先生方との交流があった由.それが記述の分かりやすさにつながっているようだ.
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[ 内容 ] イスラーム世界は存在するのか。 創られた概念が生み出す認識に挑み、「世界史」のあり方を根底から問う。 [ 目次 ] 「イスラーム世界」という語のあいまいさ 第1部 前近代ムスリムの世界像と世界史認識(前近代ムスリムの地理的知見と世界像;前近代ムスリムによる世界史叙...
[ 内容 ] イスラーム世界は存在するのか。 創られた概念が生み出す認識に挑み、「世界史」のあり方を根底から問う。 [ 目次 ] 「イスラーム世界」という語のあいまいさ 第1部 前近代ムスリムの世界像と世界史認識(前近代ムスリムの地理的知見と世界像;前近代ムスリムによる世界史叙述) 第2部 近代ヨーロッパと「イスラーム世界」(マホメット教とサラセン人(一八世紀以前) 「イスラーム世界」の創造 東洋学と「イスラーム世界」史研究) 第3部 日本における「イスラーム世界」概念の受容と展開(「イスラーム世界」概念の成立以前;日本における「イスラーム世界」の発見;戦後の「イスラーム世界」認識) 「イスラーム世界」史との訣別 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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「イスラム世界」という概念について、従来の認識を批判的に論じる。 現在、中東研究者の間で話題になっている本。
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