オブジェクト開発の神髄 の商品レビュー
本書は、アジャイルなオブジェクト指向開発に関するさまざまな事柄を網羅的に解説する。1章は、開発技術や、開発プロセス。2章では、オブジェクト指向の概念(UML、クラス、敬称、抽象化、コラボレーション、インターフェース)について。3章では、テスト全般。この後は、この本の中心的部分であ...
本書は、アジャイルなオブジェクト指向開発に関するさまざまな事柄を網羅的に解説する。1章は、開発技術や、開発プロセス。2章では、オブジェクト指向の概念(UML、クラス、敬称、抽象化、コラボレーション、インターフェース)について。3章では、テスト全般。この後は、この本の中心的部分であるアジャイルモデル駆動開発について、さまざまな視野からの提言、示唆を行う。また、UML2.0を使用したアジリティーあふれるモデリングも披露してくれる(が、残念ながら、プログラム例はすべてJAVAで書かれている)。本書で貫かれている思想は、「要求仕様、設計モデル、分析モデルなどのソフト開発時に必要とされる中間成果物は、次のステップに進むために必要最小限の正確さで留める」というアジャイルな姿勢である。ウォーターフォール型で、頭がカチンコチンの馬鹿マネージャーは、このようなやり方を嫌うだろうが(アジャイルなチームを率いるためには優秀なマネージメントが必要だが、ウォーターフォールでは馬鹿でも出来る)、失敗のリスクを最小限に押さえ、仕様変更の要求に常に対応でき、最短、最小工数でユーザにソフトを届ける「あるべき姿のソフトウエア開発チーム」は、アジャイルなのである。もしあなたが、ソフトウエアエンジニアで、アジリティーのないチームに所属しているのならば、ぜひこの本を読んで、この本の神髄をあなたのチームに広めてほしい。この本は安くはないし、分厚くて読み応えがありすぎるかもしれないが、その分の見返りは確実である。
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